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梅雨の作りおきは「調理道具の消毒」も意識して 調理初日に食中毒発生レベルの菌が付着

2018年06月16日 11:11  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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働く主婦にとって、空いている時間におかずをまとめて作って保存する「作りおき」は便利だ。しかし、調理で使う包丁やまな板、保存するタッパーなどの消毒をしないと、たとえ食材を加熱しても食中毒を引き起こすリスクがある。特に梅雨は湿気が多く、食べ物が傷みやすいので要注意だ。

住居用洗剤などを販売するジョンソンは、働く主婦1000人に対して「作りおき料理の際、食中毒予防として実践していること」をアンケート調査した。結果を見ると、「肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う」(73.9%)、「時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる」(71.8%)という答えが多く、調理器具の消毒への認識は弱い。

調査は、今年5月25日~27日の間、20~40代の働く主婦を対象に行った。

食中毒レベルなのに見た目やニオイにはほぼ変化なし


調査を行ったジョンソンは、一般家庭内での作り置きシーンを想定した菌繁殖を検証した。作りおきする際の調理器具に食中毒を引き起こす菌(黄色ブドウ球菌)が付着していたケースを想定し、長期保存した場合の菌の増殖を観察した。

鶏むね肉をフライパンでよく焼き、菌がついた包丁とまな板を使って切り分けたうえで、タッパーに入れて冷蔵庫(6℃)で7日間保存。保管時・2日目・4日目・6日目・7日目に生菌数を測定したところ、調理初日に食中毒を引き起こすレベルの菌が鶏肉に付着していることがわかった。

しかも、菌が7日間付着をし続けても、鶏肉の見た目はほとんど変わらず、ニオイもなかった。少量の菌の付着で食中毒を引き起こす可能性があるので、梅雨に作りおき料理をする際には注意が必要だ。

アルコール除菌は「使用直前」と「乾いた状態」で

調理器具に付着した菌にはどんな対策をすればよいのか。「アルコール除菌」と「煮沸消毒」の効果を検証したところ、どちらのやり方でも99%以上菌が減少した。

アルコール除菌の場合は、タイミングが重要だ。実証実験を監修した衛生微生物研究センター主席研究員 李 新一氏によると、「使用直前」と「調理器具が乾いた状態」で使うのが効果的だという。最後に使ってから時間が空くと意図せず菌が付着している可能性があるほか、濡れているとアルコールが水分で薄まり、除菌効果が弱まるためだ。