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ディーン・フジオカのブレイクがきっかけ? 大谷亮平、葉山ヒロら“逆輸入俳優”の可能性

2018年06月16日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 ディーン・フジオカがNHKの連続テレビ小説『あさが来た』(2015)で大ブレイクして以降、急速に世に広まった“逆輸入俳優”という言葉。逆輸入俳優とは、先に海外(とくにアジア圏)で人気を博し、その後、日本に活動の拠点を移した俳優のこと。ここではディーン・フジオカをはじめ、逆輸入俳優の需要がなぜ高まっているのかに迫っていく。


 先述の通り、逆輸入俳優という言葉を広めたのは、『あさが来た』で“五代様ロス”を起こしたディーン・フジオカだろう。アジア周遊中、香港でスカウトされ、モデル活動を開始。その後、台湾でドラマや映画に出演し、人気俳優となっていく。日本のドラマへの出演は、2014年のNHK BSプレミアム『撃墜 3人のパイロット』が最初。翌年の『探偵の探偵』(フジテレビ系)では「あのイケメンは誰?」と話題になるものの、日本での知名度的にはまだまだ。しかし、同年放送の『あさが来た』で転機が訪れ、その後の快進撃は誰もが知るところだろう。


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 そのディーンが主演を務めている『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)には、もう1人、逆輸入俳優が出演している。それが第6話より登場した香港マフィアのダニー・ウォンを演じた葉山ヒロ。デビューのきっかけはディーンと似たところが多く、彼も台湾旅行中にスカウトされ、現地でモデルや俳優として活躍。その後、ジャッキー・チェンの事務所JCグループにスカウトされて移籍したというツワモノだ。葉山にとっては『モンテ・クリスト伯』が日本のドラマ初出演となるが、広東語と日本語の両方を操る香港マフィアという役は、彼のこれまでの経歴からすると、まさにハマリ役といえるだろう。さらに、このドラマには台湾を中心に活動しているジョー・ナカムラも出演しており、ある意味『モンテ・クリスト伯』は“逆輸入俳優”ドラマになっている。


 そして、ディーンと同い年で、“第2のディーン・フジオカ”と称されている大谷亮平も言わずと知れた逆輸入俳優だ。モデルデビューこそ日本だったが、韓国で出演したCMから人気に火がつき、韓国で2011年の年間興行成績1位となった大ヒット映画『神弓-KAMIYUMI-』などに出演。日本のドラマには2016年から出始め、同年の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で一気に知名度を広げた。


 この3人に共通するのは、30代半ばを過ぎてからの日本進出。本人たちが“逆輸入俳優”と呼ばれることに対してどう思っているのかはわからないが、ディーンの成功によって“逆輸入俳優“がブランド化したことは間違いない。さらに、海外での活躍を先に出すことで、芝居の実力を裏付けるというセールスアピールにも成功している。もちろん、それも本人たちに魅力があってこそのことだが。


 ディーンは現在、主演映画『海を駆ける』が公開中のほか、長瀬智也主演の『空飛ぶタイヤ』(6月15日公開)にも出演。大谷はドラマ『ラストチャンス 再生請負人』(テレビ東京系・7月16日放送開始)、次の朝ドラ『まんぷく』(NHK総合ほか・10月1日放送開始)に出演が決まっているほか、映画『ゼニガタ』(公開中)では映画初主演を務める。葉山はまだ次の日本作品は決まっていないようだが、日本のクリエイターたちが放ってはおかないだろう。これからまだまだ増えそうな“逆輸入俳優”たちの活躍から目が離せない。


(馬場英美)