スペインのモーターランド・アラゴンでテスト走行するEカート ABBフォーミュラE選手権にベンチュリー・フォーミュラEチームとして参戦中の『ベンチュリー・オートモービル』は、2018年内にスタート予定の電動カート選手権『エレクトリックeGTカーティング』のテストに参加。チームが立ち上げた電動レース向けドライバー育成プログラムに参加する7名を送り込んだ。
電動フォーミュラカーで争われるフォーミュラEに開幕初年度から参戦するベンチュリーは、モナコに拠点を構えるメーカーで、かつてはMVS(Manufacture de Voitures de Sport/スポーツカー製造会社)と名乗っていた。古くから電動スポーツカーの開発に注力しており、2004年には世界初の完全電動スポーツカー『FETISH』を発表している。
そんなベンチュリーは2018年3月に電動モータースポーツのトップカテゴリーに若手ドライバーを送り込むことを目的とした世界初のプロジェクト『ベンチュリー・ネクストジェン・アカデミー』を設立。若手ドライバー育成にも力を注いでいる。
今回、ベンチュリーがテストに若手ドライバーを送り込んだeGTカーティングは、米テスラのワンメイクマシンで争われる電動GT選手権『EPCSエレクトリック・プロダクションカー・シリーズ』と併催される電動カートを使った選手権。
使用されるEVカートはスペインの『プレイアンドドライブ』製。マシンスペックは総重量109kg、3.2kWhのバッテリーで最高出力50PS、最高速150km/h、0-100km加速は3.1秒とうたっている。
6月13日、スペインのモーターランド・アラゴンで行われたテストにはF1ドライバーであるシャルル・ルクレールの弟、アーサー・ルクレールをはじめとする7名が参加した。
ベンチュリーの代表、ギルド・パストールは「若い世代が未来のモータースポーツを戦う準備を整えられるよう、ベンチュリー・ネクストジェン・アカデミーを立ち上げた。だから、このテストに参加することは極めて重要だった」とコメントしている。
「今後は収集したデータをモナコで解析する。我々の狙いはいつも変わらない。電気モーターの特性を理解し、電気自動車にあわせたドライビングスタイルを確立することだ」
アーサー・ルクレールは「eカートは運転していて楽しいマシンだったよ」とテストをふり返っている。
「トルクとパワーが凄まじいんだ。内燃機関を積むカートよりも間違いなく優れている。本当にあらゆることが違っていて、例えばエンジンノイズがほとんどないから、初めて音に気を配りながら走行することができた」