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アダム・リッポン、LGBTQコミュニティのイベントで自殺防止を呼びかけ

2018年06月15日 14:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ガス・ケンワージーと司会を務めたアダム(画像は『Adam Rippon 2018年6月11日付Twitter「So much fun getting to host tonight with my beauty, @guskenworthy」』のスクリーンショット)
自身が同性愛者であることをオープンに語っているフィギュア米国代表のアダム・リッポン選手。米時間11日に行われた「TrevorLIVE New York」のガラでは、同じく同性愛者でフリースタイルスキー男子スロープスタイルに出場したガス・ケンワージー選手とともに司会を務め、米国のLGBTQコミュニティに向けて若者の自殺防止などを呼びかけた。『Entertainment Tonight Canada』のインタビューに応じたアダムは、大切な人のSOSサインを見逃さず、コミュニケーションを図ることの重要性などを強く語った。

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米大手ファッションブランド「ケイト・スペード ニューヨーク」の創設者ケイト・スペードさん(Kate Spade)や、人気シェフで作家のアンソニー・ボーデインさん(Anthony Bourdain)ら米国で著名人の自殺が相次ぐ中、このほど非営利団体の「Trevor Project」による「TrevorLIVE New York」ガラが行われた。

「Trevor Project」は主に25歳以下のLGBTQコミュニティを対象にした、自殺防止や危機介入(自殺願望者など危機状態にある人々への緊急援助)を促進する団体だ。自身のアイデンティティに悩んだり、社会からの疎外感を抱いている若者の心に寄り添うべく様々な活動を行っている。

このほど同団体がファンドレイジングの一環として、「TrevorLIVE New York」なるガラを開催。英出身歌手で女優のリタ・オラによる力強いパフォーマンスや、ジェニファー・ロペスの姉の息子でトランスジェンダーのブレンドンさん(ジェニファーはあえて“甥”という言葉の使用を避けている)の感動的なスピーチが披露され、自殺予防や身近な人への共感、関心を呼びかけた。一夜にして合計200万ドル(2億2000万円)を超える資金が集まり、「TrevorLIVE New York」ガラは大盛況のなか幕を閉じた。

この日、ガス・ケンワージー選手とともにイベントの司会を務めたアダム・リッポンは、『Entertainment Tonight Canada』のインタビューに応じ以下のように語っている。

「僕たちがお互いを励まし合い元気づけること、それが大切なんだ。辛い状況に直面している人には、手を差し伸べてあげよう。友人が元気にしているか、たまには様子を見てあげて。そして彼らに『愛している』と伝えてあげて。これはとても重要なことだよ。もし助けが必要になった時は『Trevor Project』が24時間いつでもそばにいることを忘れないで。」

ペンシルベニア州の小さな街で育ったアダムは、自身もアイデンティティに悩みながら少年時代を過ごしたひとり。2015年に同性愛者であることを公表するまでは、様々な葛藤や苦労を乗り越えてきている。そんな彼だからこそ、発する言葉の一言一言に重みが感じられる。LGBTQコミュニティへの理解は年々広まりつつあるものの、米国全体で見れば、まだまだ“人と違っていること”に対して閉鎖的な地域も多い。

日頃から“ありのままの自分でいることの大切さ”を訴えているアダムの言葉が、かつての彼と同じ悩みを抱えて生きる若者の心に響いていることを心から願ってやまない。




画像は『Adam Rippon 2018年6月11日付Twitter「So much fun getting to host tonight with my beauty, @guskenworthy」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)