2018年、スーパーGTと並行してWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”に参戦しているジェンソン・バトンは、WECが新たな自動車メーカー参画を促すべく策定を進めている新LMP1レギュレーションに興味があると語った。
2018年、スーパーGT500クラスへフル参戦しながら、WECにSMPレーシングから参戦するバトンは、自身の役割は2020-21年シーズンから発行される新レギュレーション下で、チームがポテンシャルを発揮できるよう準備を整えることだとも述べた。
この新レギュレーションの詳細については現地15日(金)に、ル・マン24時間の会場で発表される予定だが、先にFIAが発表した概要ではLMP1の年間予算を現行の4分の1とすること、“ハイパーカー”コンセプトを採用することで、ブランドのイメージに合わせたデザインの自由化を図ることなどが盛り込まれている。
現在、バトンとSMPレーシングの契約は2019年6月のル・マンを最終戦とする“スーパーシーズン”限りとなっているが、新レギュレーション採用後もWECに参戦したいかとの問いかけに「もちろんだ」と応じた。
「自動車メーカーとともにル・マン24時間を戦う時、自分がどのカテゴリー出身かは関係ない。どれだけ長くF1に参戦し、何を成し遂げていても関係ないんだ。彼らが求めているのは耐久レースでの経験だからね」
「これは素晴らしいことだし、今後数年はその経験を積むことになるかもね。ただ、今回は単純に経験を積みに来たわけじゃないんだ。(ベストリザルト獲得へ)挑戦し自分たちのベストを尽くすために来た」
現在はアメリカ・カリフォルニア州に住居を構えているバトンは、2018年シーズン開幕前、IMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップに参戦するのではないかと報じられていた。その際は、アキュラ・チーム・ペンスキーからシリーズの耐久ラウンドにのみ出場するとされていた。
しかし、最終的にバトンはIMSAではなくスーパーGT参戦を決断。山本尚貴とともにRAYBRIG NSX-GTをドライブし、第3戦終了時点でドライバーズランキングトップにつけている。
「IMSA参戦も考えたけど、一番の目標はスーパーGTを戦うことだった。僕にとってGT500マシンは素晴らしいものだし、バトルもハイレベルだからね」
「僕はホンダの一員だし、ホンダのアンバサダーでもある。だからスーパーGTで戦うのは自然な流れだった」
「ホンダはアキュラとしてIMSAを戦っているけど、スーパーGTのほうがよりコンペティティブだと思ったんだ。その考えは正しかったし、3戦を終えてポイントリーダーに立つこともできている」
「そのあとに、ここ(WEC)でレースを戦える可能性が浮上したんだ。(SMPレーシングが使用している)BRエンジニアリングBR1のテストに参加した友人と話した時、『あれはいいクルマだぞ』と言われた」
「だからチームにコンタクトを取り、彼らも僕をマシンに乗せることに興味を持ってくれた。そして、いま僕たちはここにいる」
バトンがドライブするSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AERは、ル・マン24時間の予選で総合7番手を獲得している。