2019年から開幕する電動バイクレースシリーズ『FIM Enel MotoE World Cup(MotoE ワールドカップ)』のオフィシャルデータアクイジション担当にイタリアの自動車、バイク部品メーカー『デロルト』が就任する。
MotoEは、電動フォーミュラカーで争われるABBフォーミュラE選手権のバイクバージョンとも言える、まったく新しいレースカテゴリーで2019年からのスタートが予定されている。
レースで使用されるワンメイクマシンはイタリアの電動バイクメーカー、エネルジカ・モーターカンパニーが販売するスーパーバイク『エネルジカ・エゴ・コルセ』、タイヤサプライヤーを担当するのはミシュランだ。
すでにマシンのテスト走行などが行われているほか、レースフォーマットについても概要が発表されている。そして今回、イタリアのムジェロサーキットで行われた2度目のMotoEミーティングで、プロモーターのドルナスポーツは新たに、MotoEのオフィシャルデータアクイジションパートナーとしてイタリアの自動車、バイク部品メーカー『デロルト』が就任すると発表した。
デロルトはMoto3クラスのECUサプライヤーも担当しており、ドルナスポーツとデロルトは、価値観を共有しており、MotoEを情熱的かつチャレンジングなプロジェクトにするという点で、理想的なパートナーだとしている。
オフィシャルデータアクイシジョンパートナーに就いたデロルトはMotoEに対し、データロガーシステムや慣性測定ユニット、サスペンションとブレーキのセンサーに加え、タイヤのモニタリングシステムといったデータ収集ツールをパッケージとして供給する。
アクイシジョンとはマーケティングや人材採用の世界で使われている単語で、データの収集管理から活用まで、一貫して管理するというニュアンスがある。
MotoEとデロルトの合意はシリーズ開幕の2019年から2021年までの3年間だ。
「近い将来、持続可能な自動車社会は電力と内燃機関の組み合わせのような、異なるソリューションを礎とするだろう。デロルトはその未来を目指すチャンレンジに参加することを望んでいる」とデロルトのエグゼクティブバイスプレジデント、アンドレア・デロルト。
「我々はMoto3で新たな才能に投資し、MotoEでは新たなテクノロジーに投資する。我々はいつも新たなチャレンジを受け入れる用意ができている」
ドルナスポーツのマネージングディレクター、ポー・セラカンタは「私たちと既存のパートーナーの関係をふたたび親密に深め、ともに未来を築けることに喜んでいる。デロルトとMotoEのコラボは、私たちの発展と新たなチャレンジに協働するための重要なステップだ」と語った。
MotoEマシンのエゴは、2018年シーズンのMotoGP各グランプリでデモランを行っている。バルセロナのカタルーニャサーキットで6月15~17日に開催されるMotoGP第7戦では、1999年ロードレース世界選手権(WGP)500ccクラスチャンピオンのアレックス・クリビーレがデモランを実施予定。その後もシーズン開幕に向けてマシン開発が続けられる。