2018年『FIFAワールドカップ』ロシア大会が6月14日に開幕する。
日本代表の戦いや世界最高峰のスタープレイヤーたちの競演に沸く4年に一度のサッカーの祭典。開幕戦はホスト国ロシア対サウジアラビアの一戦となり、日本時間の6月14日24:00にモスクワのルジニキ・スタジアムでキックオフする予定だ。
サッカーの国際大会では、サポーターが歌うチャントや選手入場時にかかる楽曲など、様々な音楽が大会の盛り上がりに一役買っている。今大会でも公式ソングが発表されているほか、スポンサーの公式ソングや中継を担う国内のテレビ局のテーマ曲など、様々な音楽が熱戦を彩ってくれそうだ。
ここでは今回のロシア大会の音楽を中心に、近年の大会に華を添えてきた歴代ワールドカップ関連ソングを紹介する。
■ロシア大会公式ソングはDiploがプロデュース、開会式にはロビー・ウィリアムスが登場
ロシア大会のオフィシャルソングは、Nicky Jam feat. Will Smith & Era Istrefiの“Live It Up”。アメリカのレゲトンアーティストNicky Jamと、ウィル・スミス、コソボ出身のシンガーであるエラ・イストレフィのコラボ曲で、Diploがプロデュースを手掛けている。
PVには各国のサポーターの様子や、試合のフッテージなどが挿入されており、元ブラジル代表のロナウジーニョも登場。スタジアムの熱気と一体感を感じられるような楽曲になっている。
ロシアとサウジアラビアによる開幕戦の直前にルジニキ・スタジアムで行なわれる開会式では、ロビー・ウィリアムスがパフォーマンスを行なう。ロシアのソプラノ歌手アイーダ・ガリフッリーナとのコラボレーションも予定されている。また式には元ブラジル代表のロナウドも登場する。
イギリス出身のロビー・ウィリアムスは、ワールドカップ開会式でパフォーマンスすることについて「私のキャリアの中で多くのことをやってきたが、ワールドカップのオープニングで、スタジアムにいる8万人のサッカーファンと世界中の何百万人もの人々のためにパフォーマンスすることは子供の頃からの夢だった」と喜びのコメントを寄せている。
また大会のスポンサーであるコカ・コーラのオフィシャルソングはジェイソン・デルーロ“Colors”。参加国の様々なカルチャーを表現したPVでは、各国の国旗が象徴的に用いられている。
■日本国内テレビ局のテーマソングはSuchmos、RADWIMPS、EXILE、NEWSら
テレビの前で大会を楽しむサッカーファンにとって、会期中一番耳にするのは各局の中継や特集番組で使用されるテーマソングかもしれない。今大会は全64試合がNHKと民放で生放送される。
NHKはワールドカップの中継放送をはじめとする2018年のサッカーテーマにSuchmosの新曲“VOLT-AGE”を起用。NHKの特設サイトでは同曲の歌詞と、Suchmosのパフォーマンスを収めた動画が公開されており、楽曲をフルで聴くことができる。
フジテレビはRADWIMPSによる書き下ろしの新曲“カタルシスト”。フジテレビ系のサッカーテーマ曲はこれまでオペラの“アイーダ”が使用されており、特定のアーティストの楽曲が起用されるのは初となる。
またTBSのテーマ曲はEXILEの新曲“Awakening”、日本テレビはNEWSの新曲“BLUE”。“Awakening”は中高とサッカー部に所属していたというEXILE ATSUSHIが作詞を手掛けており、特設サイトでは歌詞全文が公開中だ。NEWSの手越祐也は、2014年のブラジル大会に続き、2大会連続で日本テレビ系のワールドカップ放送メインキャスターを務める予定。
■歴代応援ソングを振り返る。Aviciiやブルーノ・マーズも参加
ワールドカップ関連ソングにはこれまでも多くの人気アーティストが参加してきた。
4年前のブラジル大会の公式アンセムには、今年惜しくも若くしてこの世を去ったAviciiが参加していたことも記憶に新しい。曲はカルロス・サンタナとワイクリフ・ジョンによる楽曲“Dar um Jeito(We Will Find a Way)”で、フィーチャリングアーティストとしてAviciiとアレクサンドレ・ピレスが名を連ねた。ワイクリフ・ジョンとサンタナは閉会式でパフォーマンスも行なった。
また、2010年の南アフリカ大会のコカ・コーラ公式ソングであった、K'Naanの“Wavin' Flag”にはプロデューサーとしてブルーノ・マーズが参加していた。
Shakiraはたびたびワールドカップ公式ソングを任されており、“La La La (Brazil 2014)”がブラジル大会の公式アルバムに収録されているほか、2010年の南アフリカ大会でも公式ソング“Waka Waka (This Time for Africa) ”を歌唱。2006年のドイツ大会を含め、3大会連続で閉会式でのパフォーマンスを行なっている。
■2002年日韓大会ではCHEMISTRYら参加の日韓合同ユニットも
なお2002年の日韓ワールドカップの公式アンセムは、『ブレードランナー』『炎のランナー』などの映画音楽でも知られるギリシャの音楽家Vangelisによる“Anthem”。石野卓球がリミックスを手掛けたことでも話題を呼んだ。
公式テーマソングは、CHEMISTRY、Sowelu、リナ・パーク、Brown Eyesの日韓アーティストで結成されたユニット「Voices of KOREA/JAPAN」による“Let's Get Together Now”。4組はソウルで行なわれた開会式で同曲を歌唱した。その模様はテレビ放送され、韓国で初めて公式に放送された日本語詞の楽曲として歴史的な1曲となった。