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晴、天馬から“王子様”ポジションを奪う 『花のち晴れ』待ち受けるのは突拍子もないフィナーレ?

2018年06月13日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 メグリン(飯豊まりえ)の誕生会で起きた爆破事件の犯人が捕まったのも束の間、音(杉咲花)が夜道で何者かに催涙スプレーをかけられる事件が起こる。その場に通りかかった桃乃園の近衛(嘉島陸)に助けられた音は、病院に駆けつけた天馬(中川大志)から晴(平野紫耀)に報告した方がいいと言われるのだが、当の晴はメグリンとのデートの行き先に頭を捻らせており、とても事件のことを話せる雰囲気ではない。


参考:『花のち晴れ』制服姿の平野紫耀【写真】


 TBS系列火曜ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』は最終回前のセミファイナルとなる第9話を迎え、音と晴と天馬、そしてメグリンの四角関係に変化が訪れはじめる。というよりも、晴に大きな変化が訪れたと言ったほうが適切であろう。これまでの“ヘタレ”キャラから一転して、後輩・近衛の一件で若干のほころびを見せる天馬から“王子様”ポジションを奪う勢いをも感じさせるほどだ。


 今回のエピソードの前半こそ、メグリンとのデートの行き先に悩み、あげく“日本列島ダーツの旅”を世界地図でやってしまうほど恋愛に対する不器用さを露呈する晴。しかも一茶(鈴木仁)から言われた「ファーストキス」の一言でわかりやすいほど動揺してしまうという、オールドファッションな少女漫画らしい反応で、虚勢を張っている普段との大きなギャップを見せるのだ。


 ところが、ひとり泣いている音に(メグリンに言われて)追いかける公園のシーンから、ついにこれまでの“ヘタレ”を払拭。泣いている理由を言おうとしない音を見かねて、「じゃあ家まで送らせろよ」と時折見せる紳士ぶりを発揮すると、その後、音が泣いていた理由を察し天馬に言い放つ「そんなの一択だろ! 合ってようが外れてようが、好きな女の言ってること信じなくてどうすんだよ!」の名台詞で、完全に逆転したと言っても良いぐらいだ。


 さらに駄目押しを加えるかのように、音の「もう帰って」の言葉にすんなりと従ってその場から引き下がりながらも、1人その場に佇む音を影から見守って、タイミングを見てひょっこりと現れる。しかも敵である近衛に対しては“こじらせてる”といつも通りの見下したような発言をしながらも、「俺もこじらせてるから」とへりくだる一幕も。


 急にどうしたのだと思ってしまうのもやむなしだが、序盤のシーンで父・巌(滝藤賢一)から語られる、名前の由来が大きく影響しているのではないかとも考えられる。「人々を晴れやかに照らし、導く男になって欲しい」。意外と感化されやすい性格の晴の中では、常に巌に認められたいという欲求が強くあった。そこに来て(メグリンとの交際を報告したからであるが)心を開いた巌からの「名前に値する男になれ」の一言は、晴の中で最も響いたのではないだろか。


 それにしてもこの四角関係(いや、最早あらゆることを察しているメグリンは自ら一歩引きそうな予感が漂い始めている)の結末がどう収束されるのかということが気にかかっていたが、晴と天馬の武道三番勝負での決闘という、なかなか突拍子もないフィナーレが待ち受けているようだ。しかもそれをけしかけるが晴の父・巌なのだから、晴の心を動かした“名前の由来”につづき、クライマックスの鍵を握っていたのは巌だったようだ。(久保田和馬)