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地上波ドラマに匹敵する反響! AbemaTV『会社は学校じゃねぇんだよ』の成功を振り返る

2018年06月12日 19:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 放送開始からSNSを中心に徐々に盛り上がりを見せていき、ラスト2週にわたってTwitterの世界トレンド1位を記録するなど大きな話題となった『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)を皮切りに、6月に入り、4月クールの連続ドラマが最終回を迎え始めている。


 そんな中注目したいのは、6月9日に最終話となる第8話が放送されたAbemaTVオリジナルドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ』。三浦翔平の連続ドラマ初主演作ということでも話題を呼んだ同ドラマは、企画者でもあるサイバーエージェント代表取締役・藤田晋の著書『渋谷ではたらく社長の告白』(幻冬舎文庫)を原案に、三浦が出演した『奪い愛、冬』の脚本を手がけ、先日『ラブ×ドッグ』で映画監督デビューも果たした鈴木おさむが脚本を担当したサクセスストーリーだ。


 三浦演じる主人公の藤村鉄平は、かつては渋谷のギャル男だった。憧れていたベンチャー企業社長の経営する会社に入社した鉄平だったが、理想とかけ離れた現実を目の当たりにし、また社長からの裏切りに遭い、それをきっかけに仲間たちと自ら起業を決意する。そんな鉄平をはじめとする若者たちの夢、恋愛、金、友情などが盛り込まれた熱いストーリーが同世代の若者たちを中心に好感を呼び、AbemaTVならではのベンチャー企業の描かれ方のリアルさも相まって、連続ドラマとしても高い評価を得ている印象だ。


 先日当サイトで行った2018年4月期連続ドラマに関するアンケートでも、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』や、『花のち晴れ ~花男 Next Season~』(TBS系)、『おっさんずラブ』などの民放連続ドラマと並んで、インターネットテレビ局であるAbemaTVの『会社は学校じゃねぇんだよ』は複数の項目で上位にランクインした。


 同ドラマが回答数上位に上がった主な質問項目は、「思わず言いたくなる名台詞があるドラマ」と「若手ビジネスマンにおすすめのドラマ」。三浦演じる主人公の藤村鉄平が毎話重要なシーンで放つ、ドラマのタイトルにもなっている“会社は学校じゃねぇんだよ”というセリフには、「すごく重いセリフだなと毎回思います」「社会人になったばかりの自分にはグッとくる」といった反応があり、10代~20代の若者を中心に多くの視聴者の心を掴んだことがうかがえる。また、「社会の厳しさや大変さが詰まったドラマだと思います」「今の時代にピッタリだと思う」「ベンチャー企業への就職を考えている人は観るべき」といった回答も寄せられ、若手ビジネスマンにおすすめしたい作品だという声も多数上がった。


 そのような反応を裏付けるのが、見逃し配信を含む視聴数だ。4月21日に放送された第1話は放送後にAbemaTV内の放送ドラマで視聴数歴代1位となり、総視聴数は50万を突破。さらに、第1章となる第1話~第4話までの見逃し配信も含めた総視聴者数は500万を超え、6月9日に放送された最終回となる第8話までの総視聴者数は1000万を突破するという記録を打ち立てた。


 第1話から第8話まで、Twitterでも複数回にわたってトレンド入りを果たしSNSを賑わせた本作だが、本編全話をネットで気軽に観ることができるというのもAbemaTVならではの強みと言える。地上波の連続ドラマを見逃し配信で観ることができるのは最新1話のみの場合が多く、全話観るには定額配信サービスに加入しなければいけないケースがほとんど。見逃し配信で観ようにも、どの配信サービスで観られるのかがよく分からないという声を聞くことも少なくない。そういった意味でも、AbemaTVの中で簡単に全話を観ることができるというこのシステムが、総視聴者数1000万超えという大きな記録につながったと考えられるだろう。


 今年1月に初の完全オリジナル連続ドラマ『#声だけ天使』を放送したのをはじめ、第2弾となる『やれたかも委員会』、そして今回の『会社は学校じゃねぇんだよ』と、条件は全く違えど民放の連続ドラマに匹敵する盛り上がりを見せているAbemaTVの連続ドラマ。視聴率が全てとは言えなくなった民放の連続ドラマにとっても、AbemaTVの連続ドラマの動きは無視できない存在になりつつあるだろう。(宮川翔)