2018年06月12日 17:02 弁護士ドットコム
東京高裁が袴田巌さん(82)の再審を認めない決定を出したことを受けて、ボクシング世界ジュニアミドル級(現スーパーウエルター級)元王者の輪島功一さん(75)が6月12日、「袴田さん、収監されることがあったら人生終わっちゃうよ。元気なうちにはっきり答えを出してもらいたい」と訴えた。
【関連記事:追突され、新車がまさかの「廃車」...加害者が「無保険」だった場合、どうすれば?】
輪島さんが所属する「日本プロボクシング協会」のメンバーらはこの日、法務省・検察庁を訪れ、袴田さんの早期無罪を求める紙とネット署名1万7312筆を提出した。同協会は、HP上で、高裁決定について「明らかにミスジャッジであり、不当判定と言わざるをえない」とする声明を発表している。
提出後の記者会見で、輪島さんは「(判決が)間違っているから刑を執行できない。(死刑確定から)何十年経つんだ。死ぬまで待っているのか」「白か黒かでいかないと。認めたら権威が失墜するから(間違っていたと)言えないんだよ」と、裁判所と検察を強く批判した。
再審請求では、請求人が亡くなると手続きが終わってしまう。記者会見に同席した請求人で、袴田さんの姉・秀子さん(85)は、「3年や5年は私も大丈夫」「50年戦ってきたから、100年に向かって戦っていきたい。百年戦争だ」などと決意を語った。
今回提出した署名は「検察はタオルを投げろ!」のタイトルをつけ、署名サイト「Change.org」などで募ったもの。高裁で再審開始決定が出ることを想定して、検察が特別抗告しないよう訴える目的だった。今回は「予想外」の逆転決定となったが、「再審と無罪獲得という目的に変わりはない」として提出に至ったという。
(弁護士ドットコムニュース)