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限定復刻カラーリングを含む、過去最大4台体制でGTE PROに臨むポルシェのラインアップ【ル・マン24時間連載企画4回目】

2018年06月12日 16:51  AUTOSPORT web

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 今年から来年にかけて、2回のル・マン24時間を含む『スーパーシーズン』を迎えているWEC(FIA世界耐久選手権)。いよいよ6月16日に決勝スタートを迎えるが、LMPクラスとともに注目したいのが、自動車メーカーが多数参加しているLM-GTE PROクラス。その中でも現在ラインキングトップのポルシェは復刻カラーリングを施した2台を加えた4台のマシンでエントリー。その4台のラインアップを紹介する。

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 1948年にオーストリアのグミュントでポルシェ 356第1号車が誕生してから、今年で創業70周年を迎えるポルシェ。そのポルシェが今季、スポーツカーレース最大のイベントであるル・マン24時間に向け、6メーカーものワークスチームがしのぎを削るLM-GTE PROクラスに、ファクトリーエントリーとしては過去最大となる4台のポルシェ911 RSRをエントリーさせることになった。

 2017年からミッドシップレイアウトを採用し、大幅に戦闘力を上げたポルシェ911 RSRはWEC第1戦スパでクラス2位を獲得したほか、ファステストラップもマーク。例年スタートからフィニッシュまで超僅差の戦いが展開されるLM-GTE PROクラスにおけるたしかなパフォーマンスをみせている。ただ、ル・マン24時間ではバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)が再調整される可能性もあり、一瞬も油断はできない。

 ポルシェの歴史を築いてきたル・マン24時間において、70周年を勝利で飾るためには強固なドライバーラインアップとチーム体制が必要で、そのための4台エントリーとも言えるのだ。

 WECで戦う2台の911 RSRは、91号車と92号車。2台は70周年を祝うべく、過去にル・マンを彩った往年のカラーリングが施されている。1980年代に圧倒的な成績を誇ったポルシェ956/962Cで印象的なロスマンズカラーを纏うのは91号車で、リヒャルド・リエツ、ジャンマリア・ブルーニ、そして母国フランスで燃えるフレデリック・マコウィッキというトリオだ。

 一方“ピンク・ピッグ”の異名をとったユニークな豚の部位をあしらったカラーリングが施されるのは、92号車。1971年のル・マンを戦ったカラーリングのオマージュで、こちらもフランス人ドライバーのケビン・エストーレを中心にミカエル・クリステンセン、ローレンス・バンスールが組む。

 そして通常と同じブラック、レッド、ホワイトのファクトリーカラーリングをまとうのは93号車と94号車。こちらはふだん北米で開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップに参戦し、ふだんは911号車、912号車として活躍する911 RSRだ。

 93号車をドライブするのは、フランス人のパトリック・ピレ、そしてニック・タンディ、アール・バンバーという3人。94号車にはティモ・ベルンハルト、フランス出身のベテランであるロマン・デュマ、そして日本で活躍するスヴェン・ミューラーという3人だ。どの車両にもフランス人ドライバーが乗り込むのは地元ファンにも嬉しいところで、バンバー、ベルンハルト、デュマ、タンディという4人は919 Hybridで総合優勝も飾っている。

 ライバルはフォード、シボレーという北米の雄、改良型マシンを投入するフェラーリ、新車を投じてきたアストンマーチン、そして新規参入のBMW。台数は近年では最多となる17台にも及ぶため、勝利はひと筋縄ではいかないだろうが、4台のドライバーラインアップは全体の中でも屈指のもの。また、4台のポルシェ911 RSRがLM-GTE AMクラスに参戦するチームから参戦するが、こちらも上位進出を狙っていく。

「今年のル・マン24時間はその参戦台数からも、間違いなくシーズンのハイライトになるはずだ。ポルシェはLMP1プログラムから転じ、過去最大のGTカーによるラインアップを目撃することになる」と語るのは、ポルシェのモータースポーツおよびGTプログラム担当副社長のフランク・ステファン・バリザー博士。

「我々はLM-GTEカテゴリー全体でエントリーの30パーセントを占めており、これを非常に誇りに思っている。そして我々は、特にLM-GTE PROでエキサイティングなレースを期待している。6メーカー17台ものトップマニュファクチャラーとドライバーが参加するのだからね」

「WEC開幕戦スパでの成功、アメリカでの成功、そしてニュルブルクリンク24時間での勝利という成功とともに、我々は自信をもってレースに挑みたい」

 今年LM-GTE PROクラスは、ル・マン24時間におけるこれまでのプロトタイプカー中心の戦いから、自動車メーカーの戦いの中心になろうとしている。70年の歴史を背負い、未来に向け戦う4台のポルシェ911 RSRはその歴史的なレースの主役となるはずだ。