ピレリ・スーパー耐久シリーズ2018(S耐)に参戦するAudi Team DreamDrive Noahの「m-1 CARFACTORY RS3 LMS」は、6月1~3日に富士スピードウェイ(静岡県)で開催されたシリーズ最大の山場、第3戦「富士SUPER TEC 24時間レース」のST-TCRクラスに参戦。7台が参加するなか、参戦3戦目で初のクラス優勝を遂げた。
福岡に本拠を置くAudi Team DreamDrive Noah(代表:清瀧雄二)は、“九州に元気を!九州のモータースポーツにもっとワクワクを!“を合言葉に九州のレーシングチームとしてS耐にフル参戦。今回は熊本在住の塚田利郎、蘇武喜和、清瀧というレギュラー3名に、松本和之、山路幸宏、渡辺忠司を加えた6名体制を敷いた。今回のST-TCRクラスは、4台のアウディRS3 LMS、2台のホンダ・シビック タイプR、VWゴルフGTIという計7台が参戦。今回の24時間レースはシリーズ最大の山場であり、国内では2008年の十勝以来10年ぶり、富士では実に50年ぶりとなる。
富士山を望む富士スピードウェイは週末、入梅前の初夏の爽やかな天候に恵まれた。1日の公式予選はいつものようにA、Bドライバー2名のタイム合算で争うが、塚田と蘇武のタイム合算の結果クラス5位となった。
決勝レースは2日の15時にスタート。このレースではメンテナンスタイムとして、レース開始20時間後までに1回8分間のピット作業を2回義務づけ。その2回のピット作業でブレーキ交換などを行い、マシントラブルを極力防ごうという狙いだ。チームではメンテナンスも考慮し、ドライバーの運転時間を1時間半~2時間程度とし、フレキシブルに対応することにしていた。1周あたりのラップタイムは速くなくても、トラブルフリーで走ることで上位入賞を目指した。
スタートドライバーは塚田で、渡辺、清瀧、蘇武の順に交代。夜に入るとマシントラブルを抱える車両もあり順位は4位へ。22時半過ぎにフロントブレーキパッドとローターを交換するなど最初のメンテナンスタイムを終え、塚田、松本と交代。夜中に1台の車両がクラッシュしたことでレースは一旦赤旗中断となるが、これで順位を2位へ上げることとなった。ドライバーは蘇武に交代して夜明けを迎え、山路とバトンをつないだ。そして6時45分、トップを走る車両がコースサイドでストップ。その5分後、6時50分に山路が456周を終了してついにトップに躍り出た。
トップに立って以降は、渡辺、2回目のメンテナンスタイムを挟んで蘇武、松本、塚田とつなぎ、一度もトップを譲ることなく2位に22周の大差をつけて683周で歓喜のトップチェッカー。24時間で実に3,116.529kmを走破しての初優勝だった。同時にS耐シリーズでのアウディRS3 LMSの初優勝も記録。出走した7台のうち4台がペナルティを受け、1台がクラッシュするなか、トラブルなくペナルティも受けず堅実に走りきった結果の優勝だった。これでボーナスポイントの45点を加算しポイントランキングも3位へ浮上した。第4戦は、7月14~15日にチームの地元、オートポリス(大分県)において5時間レースとして開催。残る後半戦3戦でも上位を狙っていく。
清瀧雄二
「3月にチームを作ってバタバタとしていて、どうなることかと思っていましたが、全員がしっかりと作戦を実行してくれての初優勝です。来月は地元のオートポリス戦ですから、またそこでも頑張ろうと思っています」
塚田利郎
「スタートとゴールを担当させてもらって、いいとこ取りになりました。チームみんなでノントラブルで行こう、とにかくクルマを労ろうを合言葉に、それに徹した亀さん作戦で頑張った結果が優勝でうれしいです」
蘇武喜和
「TCRは全体的にスプリント的なハイペースな流れだったので、その流れに飲まれないようにゆっくり行こうと心掛けて、チーム全員が我慢してフラストレーション貯めて走った結果が優勝。最後に笑えて良かったです」
松本和之
「チームに誘ってもらって結果もついてきました。本当にこのチームで走れて良かったと思います」
山路幸宏
「初めてのS耐、初めての24時間レース、初めてのチームと初物づくしでしたが、うれしい結果です」
渡辺忠司
「日没時と朝に2回乗ることができて楽しかったです。みなさんに感謝しています」