トップへ

BTCC:第4戦オールトンパーク。常勝軍団覚醒、BMW2連勝で選手権首位浮上

2018年06月12日 15:11  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

R3で今季初勝利を挙げ、WSRの連勝に貢献したロブ・コラード
BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第4戦が6月8~10日にオールトンパークで開催され、予選とレース1で伏兵のマット・シンプソン(ホンダ・シビック・タイプR)が躍進を見せるなか、続くレース2、レース3で常勝軍団が覚醒。ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のコリン・ターキントン(BMW125i Mスポーツ)が今季初優勝を決め、選手権首位に浮上した。

 フリープラクティスでのトップタイムマークでパドックを驚かせたユーロテック・レーシングのシンプソンは、その余韻も冷めやらぬまま予選で自身初のBTCCポールポジションを獲得。

 昨季チーム・ダイナミクスの3台目としてルーキーイヤーを過ごし、今季はユーロテックに移籍し、引き続き自身が代表を務める企業のオリジナルカラーをまとったシビックを走らせているこのジェントルメンドライバーは、ここまでの3戦で予選トップ10入りは開幕戦ブランズハッチの1回のみながら、このオールトンパークで後続にコンマ2秒の差をつける理想的なアタックを披露してみせた。

「ポールを獲得できるなんて"メガ・フィーリング"だよ。セッションが始まってからは1分25秒6前後がトップタイムになるだろうと思っていた。1分25秒750が出たのを見たときは『悪くないタイムだ』とは思ったけど、他にバラストを載せていないドライバーたちが続いてくると予想していたんだ」と、振り返ったシンプソン。

「(ルーキーだった)昨年の予選タイムは26秒9だから、僕自身は大きなインプルーブを成し遂げたといえるね。それが最高にうれしいんだ」

 そのシンプソンはレース1スタートでも見事にホールショットを決め、フロントロウに並んだサム・トルドフ(フォード・フォーカスRS)、3番グリッドのトム・チルトン(フォード・フォーカスRS)のモーターベース・パフォーマンス軍団を抑えることに成功すると、そのまま15ラップを走りきりBTCC初優勝をマーク。スタートでチームメイトを逆転したチルトンが2位、トルドフをかわしたWSRのアンドリュー・ジョーダン(BMW125i Mスポーツ)が3位に入った。

 しかし同日の午後14時50分スタートとなるレース2を前に、引き続きポールシッターとなるはずだった勝者シンプソンのマシンを異変が襲い、チームはエンジンの換装を決断。これでチルトンが実質先頭スタートで始まったレースは、3番手ジョーダン以下、虎視眈眈と上位進出を狙っていたWSRのBMW軍団が躍進する展開となる。

 チルトン、ジョーダンがパックを引っ張る形となったオープニングラップは、後続集団でいくつかのアクシデントが発生。チーム・ダイナミクスのルーキー、ダン・カミッシュ(FK8ホンダ・シビック・タイプR)が他車に弾かれる形でコースオフを喫すると、なんとかマシンを立て直してロスを最小限に抑えてコースに復帰。



 その余波で後続は玉突き状態となり、レーザー・ツールズのエイデン・モファット(メルセデス・ベンツAクラス)、パワーマックス・レーシングの選手権リーダー、ジョシュ・クック(ボクスホール・アストラBTCC)が巻き添えとなる形でマシンにダメージを負いピットへ。

 ヘアピンでもユーロテック・レーシングのブレット・スミス(ホンダ・シビック・タイプR)が同様の混乱でスピンオフを喫するも、幸運なことに他車とのヒットを回避してコースへと戻ることができた。

 その混乱のオープニングラップを経て、WSRのターキントンはコントロールラインを4番手で通過すると、すぐさまトルドフのフォーカスRSを捉えて3番手に浮上。同じ周には、後方からターキントンを追尾していたチーム・ダイナミクスのマット・ニール(FK8ホンダ・シビック・タイプR)もトルドフをかわし、BMW追走体制を死守する。

 しかし勢いの衰えないターキントンは、そのままチームメイトであるジョーダンの背後に迫ると、最終コーナー"ロッジ"でBMW対決を制し、イエローのマシンをオーバーテイク。首位チルトンを射程圏内に収めて3周目に入っていく。

 そのまま2周を経てフォードのマシンとの距離を縮めていったターキントンは、駆動方式は異なるものの再びイエローのマシンを"ロッジ"で仕留めてついに首位浮上。8周目の1コーナーでニールがチルトンをかわして2番手に浮上してくるも、すでにターキントンはセーフティリードを築き上げており、そのままトップチェッカー。

 BMW125i MスポーツとチームWSRに今季初勝利をもたらすとともに、選手権首位浮上に成功。2位にはチルトンをかわしたニールが入っている。

 続く夕刻17時過ぎにスタートしたレース3でもBMW勢の勢いは衰え知らずとなり、リバースポールから5台の多重クラッシュが発生した混乱にも乗じて、ロブ・コラード(BMW125i Mスポーツ)がWSRに連勝をもたらすと、2位ジョーダン、3位ターキントンと続き、BMWが表彰台を独占する結果となった。

 これでターキントンはポイントを125とし、ランキング2位のアダム・モーガン(メルセデス・ベンツAクラス)、ジャック・ゴフ(ホンダ・シビック・タイプR)に12ポイント差をつけている。

 続くBTCC第5戦は2週間後、6月22~24日にクロフト・サーキットで開催される。