1979年の誕生以来初となるフルモデルチェンジを敢行した新型『メルセデス・ベンツGクラス』が、昨年のワールドプレミアを経ていよいよ日本に上陸。6月6日の日本発表と同時に、受注受付が開始されている。
軍用の性能要件を基本に、スタイリングや堅牢なボディはそのままに、常に最適のパワートレーン、装備を加えながら進化を続けてきた『メルセデス・ベンツGクラス』が、その40年の歴史において、ついにフルモデルチェンジを受けることとなった。
堅牢なプロテクションモール、テールゲート外側のスペアタイヤ、外部に設けたドアヒンジとボディ面に載せるスタイルのボンネット、突出したウィンカーなど、オフローダーとしての個性を主張するデザインや装備は維持しながら、あらゆる部分が刷新されたこの新型モデルは、最大3.4mm厚のスチール鋼板を「ロ」の字型にした鋼材から制作し、MAG溶接技術で組み立てた新設計ラダーフレームを採用。
その強固な基本骨格の上に、Gクラス開発チームとメルセデスAMGが協業したフロント・ダブルウィッシュボーンと、リアのリジッドアクスルを組み合わせた。この独立懸架となった新フロントサスペンションは、サブフレームなしでラダーフレームに直接取り付けられ、ロワウィッシュボーン取り付け点は、走破性向上のため高い位置に設定された。
加えて、ストラットタワーブレースを採用することでラダーフレームのねじり剛性を高めたほか、フロントのディファレンシャルギアのケースに対して270mmの地上高を確保し、前後アクスル間最低地上高や最大渡河水深、各方向のアプローチアングルなど、そのほとんどで先代モデルの数値を上回る、高いオフロード性能が与えられた。
その基本性能の向上に対し、ラダーフレームに架装されるボディも約170kgの軽量化を実現。超高張力スチールおよびアルミニウムによる新しい材料構成と、ボディパーツ毎に最適な素材を採用し、フレーム、ボディシェル、ボディマウントのねじり剛性は先代で6537Nm/degだったものを1万162Nm/degと、約55%向上させている。
一方、時代を反映した電子制御デバイスも最新鋭のものが採用されており、メルセデスおなじみの"ドライブモード"には、従来の「コンフォート」、「スポーツ」、「エコ」、「インディビジュアル」の4モードに加えて「Gモード」を追加。
3つ備わるデフのいずれかでロック機構を作動させた場合や、オフロード用低速ギアのLOW RANGEを選択した場合に有効となり、シャシーの調整式ダンパーとステアリング、アクセル特性を変更し、不要なギアシフトを回避することにより最適なコントロールと最大限の悪路走破性を確保。作動時には小さな「G」のアイコンがインストゥルメントクラスターに点灯する演出も加えられた。
また、このドライブモードの実現に大きく貢献したのが従来のボール&ナット形式から電動機械式ラック&ピニオン式に改められたステアリング形式で、オンロードでは快適またはスポーティな操舵感が確保される一方、未舗装の不整路では直接的で正確なフィードバックを確保。
いずれの路面でも充分なパワーアシストを得られる上、電動機械式に切り替えることで、パーキングアシストやアクティブレーンキーピングアシストなどの運転支援システムを搭載することが可能となった。
この新型『Gクラス』ではもちろんパワートレインも刷新されており、従来型をベースに新開発された4リッターV8気筒直噴ツインターボを搭載。最高出力422PS、最大トルク610Nmを発揮しつつ、新たに気筒休止システムを採用するなど燃費効率を大きく改善したほか、7速から9速に進化しつつ1kgの軽量化を実現した新型9G-TRONICと合わせて、消費燃料の低減に大きく貢献している。
また、新型ガソリンに加えてメルセデスAMG社が完全自社開発した最高出力585PS、最大トルク850NmのAMG製4リッターV8直噴ツインターボエンジン“M177”を搭載する『メルセデスAMG G 63』もラインナップ。
新型4リッターV8気筒直噴ツインターボ搭載の『G550』は、左ハンドル仕様のみで1562万円。『メルセデスAMG G 63』は左右ハンドルが用意され、2035万円となっている。
また、従来モデルに用意されていたG350dなど最新クリーンディーゼル搭載モデルを望む声にも応えるべく、先代モデルも引き続き併売となる。
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