6月11日、ル・マンは公開車検2日目を迎えた。前日の10日(日)がF1カナダGPやフォーミュラEチューリッヒラウンドと重複、それらのレースに出場するドライバーを抱える多くのチームが2日目に登場したこともあり、月曜日のリパブリック広場は忙しない雰囲気に包まれた。また、前日に車検が予定されていながら、他カテゴリーに出場していたドライバーたちも、レースへの参加受付のためリパブリック広場に姿を見せている。
ル・マン市内は朝から分厚い雲が立ち込め、あいにくの雨模様。10時の車検開始時刻には“普通の”降り方だった雨は、この日最初に登場することとなったLM-GTEプロマシン、BMW M8 GTEが到着する頃には、バケツをひっくり返したような雨となってしまう。レースであれば、間違いなくセッション中断となるようなコンディションだ。
ローダーに載せられ車検場に運ばれてきたLMP1プライベーターのレベリオンの2台は、カバーをかけることなくそのまま順番待ちの列に放置され、リヤカウルのあたりには大きな水たまりができてしまうほどだった。
前日、スイスのチューリッヒ開催されたフォーミュラE第10戦に出場していたアンドレ・ロッテラーも元気な姿を見せている。
昼休みに入ったところでいったん雨は止み、晴れ間も覗いたものの、午後の車検が始まった13時半すぎには、ふたたび豪雨に。
フェラーリ、アストンマーチン、ポルシェと、GTEクラスのワークス勢が強い雨のなかスケジュールをこなしていく。この雨は1時間以上も降り続いたが、その間にトヨタのマシンを載せたトランスポーターも早々にローディングエリアに到着していた。
このまま大雨のなかの車検~記念撮影になってしまうかと思いきや、雨は急速に止み、一転強い日差しが差し込むなか、2台のTS050ハイブリッドがリヤから車検場に降ろされた。
車検場にはフェルナンド・アロンソ含めた6人のトヨタドライバーが集結。8号車トヨタの中嶋一貴は「相手がどうあれ、まずは自分たちのレースをしっかりやること。毎年そうなんですけど、今年はよりそういう思いが強い」とコメント。
「何事もなくレースが終わってくれることを祈ってます。クルマがいくらテストで大丈夫であっても、“何かが起こる気”しかしないです(苦笑)」と来たるレースウイークに向け、慎重な構えを崩さない。
また、7号車トヨタの小林可夢偉はテストデーのあと、ドイツのTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)でシミュレーターテストをしていたというが、「思ったより早く、シミュレーターが壊れてしまって……。よく壊れるんですよ」と、想定していたプログラムがこなせなかった模様。
その後、ミラノに移動してオフを過ごしたというが、そこでも財布をなくすなど、災難続きだったようだ。
なお、一貴、可夢偉ともに予選ではアタック担当となる模様。まずは13日(水)夜からの予選で、ふたりの走りに注目が集まる。
トヨタのあと、車検のフィナーレを飾ったのはGTEプロクラスに参戦するフォードの4台。地元出身のセバスチャン・ブルデーがトークショーのステージに姿を現わすと、客席からは大きな歓声があがった。
12日(火)からはル・マン郊外のサルト・サーキットに舞台を移すル・マン24時間レース。10時半から恒例の全ドライバー集合写真の撮影が行われ、夕方にはピット前でオートグラフセッションも実施される。長いル・マンウイークはまだ始まったばかり。走行開始は13日(水)16時(日本時間23時)だ。
2018年6月11日