2018年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦スポーツランド菅生
突然の予選タイム抹消に対して正式抗議を出すものの、不本意なQ1不通過
決勝ではファステストラップをマークし速さをアピールするも無得点に終わる
5月26日~27日、宮城県、スポーツランドSUGOにおいてスーパーフォーミュラ第3戦が開催されました。今シーズンもITOCHU ENEX TEAM IMPULから19号車でエントリーする関口雄飛は、ここ菅生でこれまで2年連続の優勝を飾っており、3連勝への自信を持ってレースに臨みました。
金曜日のフリー走行から2番手タイムをマークし、土曜日朝のフリー走行で、中古のソフトタイヤで非常に良い感触を得たこともあって、予選には自信を持って挑みました。
予選Q1は定刻どおり13時20分からスタートし、1セット目のアタックでタイム計測した関口雄飛は、セットアップの微調整をし、まずは1分5秒547のタイムをマークして暫定5番手に飛び込みます。
しかし関口雄飛がタイムをマークした周にコースアウトしたマシンがあって赤旗中断。セッションは車両回収のため20分ほど中断したのち、セッションは2分20秒を残して再開とされました。
暫定5番手タイムをマークしていた関口雄飛は、一旦はQ2の準備を開始していましたが、データ解析の時間があったため、ミディアムタイヤで試したかったセットアップの確認のためにふたたびコースイン。アタックすることなくピットに戻りました。
Q1予選5番手通過を確信し、予選Q2への準備を進めていた関口雄飛ですが、目前の計測モニターが、チェッカー後に表示変更され、いきなり16番手へとドロップ。タイム抹消理由の表示もモニターに表示されず、チームに何の連絡もない不可解な状況のため星野一義監督みずからがコントロールタワーに状況確認に向かうほど、現場は混乱した状況でした。
結局、ベストタイムをマークした周に黄旗提示区間を走行していたとの裁定で、ベストタイムが抹消され、1分6秒063のセカンドタイムによって16位とされたとのことですが、赤旗提示前にマークしていたベストタイムがセッション終了後になって抹消されたという対応の遅れによって、残された時間があったのにもかかわらず再度アタックするチャンスを奪われたことを問題視し、チームは正式に抗議を提出しました。
結果的に夕方近くになって、抗議料の全額返還と、大会競技長に対しての注意喚起という形で抗議は受理されましたが、関口雄飛の順位は覆ることなく、予選16番手のまま決勝レースを迎えることとなりました。
決勝当日は晴れ。気温24度、路面温度41度というコンディションのなか、気を取り直して決勝レースに臨んだ関口雄飛は、エンジニアと遅くまで作戦を練った末、グリッド上でも最後まで悩み、最終的にミディアムタイヤを選択してスタート。オープニングラップで1台を抜き、15番手でコントロールラインを通過します。
後方からソフトタイヤで迫るマシンを巧みに抑えこみ、6周目に14番手、9周目に13番手、14周目には11番手に浮上。着実に周回を重ねていった関口雄飛は、途中、2台のマシンがコースアウトしてセーフティカーが導入された際もステイアウトを選択し、20周目には5番手までポジションをあげていました。
24周目レース再開。関口雄飛は54周目にピットインして給油とソフトタイヤに交換、11秒9の素早いピットワークにより、13番手でレースに復帰しました。そして57周目に1分6秒300のファステストラップをマークし、コース上で関口雄飛らしい激しい攻防戦を展開して観衆の注目を集めます。
接触も辞さないバトルに、TV中継も関口雄飛をフォーカスしてくれましたが、結果は13位のままチェッカーとなりました。今回のレースは、優勝を狙って菅生入りしたものの、予選Q1ベストタイム抹消という悪夢によって、最後まで流れに乗れないレースとなりました。
次戦は富士スピードウェイ。TEAM IMPULが得意とするコースで、逆襲することを誓い、サーキットを後にしました。
■関口雄飛のコメント
「予選Q1の結果に関しては、終わったことなのでもういいのですが、あの位置で黄旗が出されても見えないですから、ドライバーの視線や安全性を考えて、決勝当日の朝には新たにポストを加えてくれたことは良かったと思います」
「朝のフリー走行でもトップタイムがマークできたので、決勝には自信を持って臨んだのですが、残念ながら逆転ならず、でしたね。スタートは良かったし、序盤はいけるかと思ったのですが、路面コンディションの変化のせいか、思ったよりミディアムタイヤのペースが上がらなかったです」
「ミディアムタイヤ装着車の中では、一番後ろから追い上げ、上位陣がピットインするタイミングで、どんどん前に出るつもりだったのですが、路面コンディションを読み違えた感じでした。ソフトタイヤに交換したら、バランスも良くてファステストラップも出せましたが、なにより今日のレースはギャンブル的な要素が大きくて、偶然、セーフティカーが出る前にピットインしたマシンが優勝から3位までの上位を独占しているとおり、タイミングの問題が大きかったです」
「セーフティカーが出ている間にタイヤが冷えてしまって、再開した直後にはソフトタイヤ装着車のほうがタイヤの温まりが良くて、自分的には厳しいところもありました。今回は予選を含め、残念な結果に終わってしまいましたが、この週末にいろいろ試して、いいセットアップを見つけましたし、次の富士ではこの悔しさをバネに巻き返し、必ず優勝を狙います。この週末も沢山のファンの皆さんにお声がけ頂きました。本当に応援ありがとうございました」