2018年F1第7戦カナダGP決勝でトップ10に入ったドライバーたちが日曜日を振り返った。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=1位
チームにとってもティフォシにとっても重要な一勝だ。今日は特別な日だよ。40年前、ジル(・ビルヌーブ)がここで勝った。14年前、ミハエル(・シューマッハー)がここで勝った。今日僕はそれについて考えていた。
レース序盤、なんとかマージンを築こうとした。1周目はとてもうまくいったと思う。セーフティカーが出動して、またやり直しになったけどね。
最後の10周では最後までマシントラブルが起きませんようにって祈っていた。
ポイントは常に重要だけど、今日のこの勝利は大きな意味を持つ。チャンピオンシップの面だけではなくてね。シーズンは長い。まだたくさんのレースが残っている。いま大事なのは、僕らのマシンが強力で、その状態を維持できていること。だからこそ戦えているんだ。
(F1公式サイトのインタビューにこたえ)今週末、僕らは前進した。主にパワーユニットの面でね。パワーが重要なこのサーキットで新しいエンジンを導入したことが、助けになった。すべてチームの努力のおかげだ。
■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=2位
できることは全部試したが、今日の僕に優勝を争うチャンスはなかったと思う。レースのスタートはエキサイティングだった。ギリギリのせめぎ合いの末に、何とか2番手を守ったんだ。ターン1ではアウトサイドにつけて、できるだけスピードを保ったままターン2でインサイドのラインを取ろうとしていた。そこでマックス(・フェルスタッペン)と横並びになって、激しく競り合った。でも、お互いにフェアだったし、何とか彼の前にとどまることができて良かったよ。
その後は、セバスチャン(・ベッテル)にプレッシャーをかけようと努力したけど、僕のペースでは追い詰めることはできなかった。フェラーリにはペースをコントロールする余裕があったのに、今日の僕らは単純に速さが足りなかった。レース終盤には、燃料をセーブするために少しペースを緩めた。マックスに差を詰められた理由はそこにある。
このレースに新しいエンジンを持ち込まなかったのは、トップチームでは僕らだけで、他のみんなはアップデートされたパワーユニットを使っていた。次のフランスで投入する新しいエンジンが、フェラーリやレッドブルとの戦いの助けになることを期待している。
■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=3位
今週末は最初からずっと僕らは強力だった。レースではベストなタイヤ戦略をとれたと思うし、この結果にはとても満足している。
毎週末、優勝を目指しているが、今回はプラクティスから好調で、予選でもいい結果を出し、レースもうまくいった。表彰台に上れたこと、僕らにとって得意ではないサーキットでレース終盤には2位にチャレンジできたことをとてもうれしく思っている。
マシンを信頼して走れるときには、いい仕事ができるものだ。レース中、ハイパーソフトタイヤを履いている時にはマシンをこれ以上ないほどうまくコントロールして走れたと思う。ここでのレースでは、いろいろなことをうまく管理する必要がある。まずは燃料、そしてタイヤもそうだ。後ろからプレッシャーをかけられたら、そのマシンをDRS圏内に入れないようにしたいしね。
今日のレースは少し退屈な部分もあったのは確かだけど、一方で、いい仕事をするために完全に集中する必要もあった。
今日セブ(ベッテル)はとても速かった。僕らが劣っているのはトップスピードだと実感した。彼らはタイヤもとてもうまく持たせていたね。レース終盤、バルテリ(・ボッタス)は燃料をセーブしていたので、差を縮めることができた。そうしてみると、僕らのマシンはうまく機能していたし、競争力はかなり高いと思う。
すべてのサーキットで優勝争いをすることなどできない。ストレートの長さが問題なんだ。それでも今後のレースが楽しみだよ。
■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=4位
とてもいい一日だった。精いっぱいの仕事ができたと思っている。4位とはいえ、満足できるよ。
6番グリッドからのスタートでどこまでポジションを上げることができるか、予想がつかなかった。ここはもうオーバーテイクしやすいサーキットではないからだ。
自分の仕事にもチームの仕事にも大満足だ。アグレッシブなアプローチと知りつつ、ハイパーソフトでスタートすることを選んだ。レース序盤にこのタイヤのメリットを最大限に生かす必要があることは分かっていたし、それをうまくやれたと思う。
スタートでキミ(・ライコネン)を抜き、ルイス(・ハミルトン)をうまい具合にオーバーカットした。僕らはやれることはすべてやったと言える。
僕にとってはあまりスムーズな週末ではなかった。アップグレード版エンジンを搭載していたが、いくつか調整しなければならない問題があった。レース中も何度か、タイヤを管理すること、スリップを避けることに苦労する場面があった。そういう意味でも、今日はやれるだけのことをやったと思う。
マックス(・フェルスタッペン)のエンジンは好調だったみたいだから、良かったよ。それを参考にしてフランスに向けて対策をする。
チームとして大量に得点できて良かったと思う。(3位の)マックスもよくやったよ。
僕もポジティブな面を見ることにしよう。今回のレースでルイスとのポイント差を2点縮めることができた。だからまだ僕らはタイトル争いに残っていると思う。
最後にひとつ言いたいことがある。今日は母の誕生日なんだ。お母さん、ハッピーバースデー!
■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=5位
今日は苦労した。とにかく完走できたこと、多少ポイントを獲得できたことへの感謝の気持ちでいっぱいだ。
スタート直後からパワーが低下し、エンジンがオーバーヒートしつつあった。どうしても温度を下げることができなかったので、いずれ壊れてしまうのだと思った。毎ラップ、パワーがなくなることを覚悟しながら走っていた。パワーが落ちたり戻ったりの繰り返しだったんだ。でもなんとか走り続けることができた。
5位というのは素晴らしい結果とはいえないけれど、今日はもっと悪い結果に終わり、大量にポイントを失う可能性もあった。それを避けることができてよかった。
フェラーリの方が僕らよりも少しいい仕事をして、優れたパッケージを持ち込んできた。それでも差はそれほど大きくない。チームの皆は懸命に作業にあたっている。とはいえ、どういう状況であろうと、ひとりひとりがもっといい仕事をし、もっと向上する余地はあるものだ。僕らはポジティブな気持ちを失うことなく、これからも懸命に努力し続ける。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=6位
昨日の予選でのミスが、レースでのポジションにも響くことになった。信じられないほどオーバーテイクが難しかったからだ。ピットストップの後、(ルイス・)ハミルトンの前に出ようとトライしたが、結局うまく行かず、その後はDRSが使える距離まで迫ることさえ、難しくなってしまった。
これは全く予想外だった。このコースではオーバーテイクやバトルが見られると思っていたのに、2週間前のモナコと似たようなレースになったのだから。あまり動きのない退屈なレースだった。
最初のタイヤセットでは、少し長めにステイアウトするつもりでいた。それでポジションを失ったとは思わない。ライバルと違うことを試すとすれば、それしか選択肢はなかったからだ。
■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=7位
今日はしっかりとレースができたし、チームの全員がいい仕事をした。コンストラクターズ選手権で10点を獲れたのは、チームにとってポジティブなことだ。選手権4位の座を固めて、ライバルとの差を広げられたからね。
コース上では接近戦になり、スタートでひとつ順位を下げてしまった。でも、(エステバン・)オコンより2周長く走って、何とかオーバーカットすることができた。最初のスティントでは、彼にペースを抑えられていたからね。その後はタイヤのマネジメントが主な仕事になった。だが、終盤にはデグラデーションが起き始めて、なかなか厳しい状態でのドライブだった。
カルロス・サインツJr. 決勝=8位
チームにとって良い一日になり、コンストラクターズ選手権で10ポイントを加算できた。ここでも僕らは進歩を示し、中団グループのライバルと比べると、相対的にいいレースペースを維持できた。2台が揃ってポイント圏内でフィニッシュすることが目標だったから、その意味では満足できる成績だ。僕らにとって、あまりエキサイティングなレースではなかったけどね!
チームは昨日も確かな仕事をしたし、今日も同様にいい仕事をしてくれて、フォース・インディア(エステバン・オコン)の前に出ることができた。もっとデグラデーションが大きいと予想していたが、最終的にはうまくタイヤをマネージして走り切ることができた。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
エステバン・オコン 決勝=9位
とりあえずポイントを獲れたのは良かったけど、本当ならもっと多くの得点を稼げる可能性があった。1周目はとてもうまく行って、目標としていた(ニコ・)ヒュルケンベルグの前に出ることができた。その時点で僕は7番手にいたんだ。ただ、ピットストップで小さなトラブルがあり、2秒ほど失った結果、2台のルノーの後ろまで順位を下げてしまった。
その後、何とかポジションを取り戻そうと最善を尽くし、最後の数周で(カルロス・)サインツJr.に追いつきそうになったけど、オーバーテイクはできなかった。ファイナルラップに入って、僕が仕掛けようとしたところで、彼がコースをカットして逃げたりしたこともあってね。
戦略はうまく機能するはずだったことを考えると、本当に残念だ。でも、この週末はチーム全体のパフォーマンスが良かったから、明るい面だけを見ようと思う。ここでの僕らの仕事は満足できるものだった。ペースの面でも競争力はあったけど、さらにプッシュし続ける必要がある。
■アルファロメオ・ザウバーF1チーム
シャルル・ルクレール 決勝=10位
いいレースができた。結果にも満足しているよ。これで4戦続けて素晴らしい仕事ができたし、着実な進歩が続いている。このチームと、みんながしてくれた仕事を誇りに思う。このモントリオールのコースを走るのはとてもエキサイティングで、ドライビングを心から楽しめた。ここで学んだことを生かして、これからのレースでもポジティブな道を進み続けたい。