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FE第10戦:チューリッヒでの歴史的レースをディ・グラッシが制す。王者争いはニューヨーク決戦へ

2018年06月11日 19:31  AUTOSPORT web

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4戦連続で2位に敗れていたルーカス・ディ・グラッシが今季初勝利
スイス・チューリッヒで開催された2017/2018フォーミュラE第10戦。10日に行われた決勝レースは、昨年の王者ルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)が今季初勝利を飾った。

 残すは3戦となった2017/2018シーズンのフォーミュラE。第10戦の舞台はチューリッヒ市街地。スイス国内でのサーキットレース開催は1954年以来だ。

 第9戦を終えてランキングトップのジャン-エリック・ベルニュ(テチーター)と2位のサム・バード(DSヴァージン・レーシング)のポイント差は40ポイント。チューリッヒの結果によってはチャンピオン決定の可能性もあったが、予選から波乱の展開となる。

 予選グループ1には、ランキング上位の5台が登場。ここでチャンピオンを争うベルニュとバードの明暗がわかれる。

 ここまで4度のポールを獲得しているベルニュはタイムが伸びず、このグループで最下位となり17番手グリッドに。バードはスーパーポールに進出し、3番グリッドを獲得した。


 上位5台でポールを争うスーパーポールでポールポジションを獲得したのは、ミッチ・エバンス。ジャガーにとっても初めてのポールポジションだ。2番手はアンドレ・ロッテラー(テチーター)が入った。

 初ポール獲得の勢いをエバンスは決勝でもみせる。ロッテラーをけん制してホールショットを奪うとトップをキープする。17番手グリッドからスタートしたベルニュも追い上げを見せ、序盤で入賞圏内に。



 6番手スタートのディ・グラッシは、13周目にバードを交わし3番手に浮上。さらにロッテラーも攻略し2番手に入る。ここまで4戦連続で2位フィニッシュのディ・グラッシに、チューリッヒでは女神がほほ笑む。

 17周目にベルニュと競ったフェリックス・ローゼンクヴィスト(マヒンドラ・レーシング)がウォールにクラッシュ。このアクシデントでフルコースイエローが出されると、18周目のイエロー解除のタイミングでディ・グラッシはエバンスをオーバーテイクし、トップに浮上する。


 8番手まで順位を上げてきたベルニュだったが、ローゼンクヴィストが落としたフロントウイングを踏んでしまう。このデブリ除去のため、再びフルコースイエローになると、各車はマシン交換のためピットへと向かう。

 ベルニュはマシンがスタートできずタイムロス。ここまでの追い上げがふいになってしまう。

 ピットストップ後もディ・グラッシはトップをキープ。ロッテラー、エバンス、ブエミ、バードの順でレースは終盤戦へ。

 30周目、フルコースイエロー中のオーバースピードでロッテラー、エバンス、ブエミ、さらに再び追い上げをみせていたベルニュが審議対象となる。

 ホセ・マリア・ロペスを含む5台はドライブスルーペナルティが科せられトップ争いから脱落。前を走るドライバーたちのペナルティによってバードは2番手に浮上、ジェローム・ダンブロージオ(ドラゴン・レーシング)が3番手に続く。

 リードを広げたディ・グラッシは念願のトップチェッカーを受け、今季初勝利を飾った。ロッテラーは4位、ブエミは5位、エバンスは7位、ベルニュは10位でレースを終えた。


 最終ラウンドを前にようやく今季初勝利を手にしたディ・グラッシは、「多くの勝利が僕の手からこぼれ落ちたが、ついに手にすることができた」とコメント。

 2位に入りベルニュとのポイント差を23ポイントに縮めたバードも「ニューヨークに持ち越せた。彼を追いかけるよ!」と喜びを語っている。

 残すはニューヨークでの2戦のみ。第4シーズンのチャンピオンに輝くのはベルニュとバードのどちらになるだろうか? 最終ラウンドとなるニューヨークePrixは、7月14日に第11戦、15日に最終戦が開催される予定だ。