6月11日、MotoGPに参戦するチーム・スズキ・エクスターが、Moto2ライダーのジョアン・ミルと2019年から2年間の契約を結んだことを発表した。ミルはMoto2クラス参戦わずか1年で、2019年からMotoGPクラスに昇格することになる。
チーム・スズキ・エクスターは先日、アンドレア・イアンノーネの離脱が発表されたばかり。その後任ライダーは誰になるのか、注目が集まっていた。
ミルは20歳のスペイン人ライダー。2017年にはMoto3クラスでタイトルを獲得し、2018年現在はエストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDSからMoto2クラスに参戦している。第6戦までを終え、第5戦フランスGPと第6戦イタリアGPでは3位表彰台を獲得しており、現在はランキング5番手につけている。
今回の発表により、Moto2クラスでの参戦を1年にとどめ、ミルは2019年より最高峰クラスにステップアップすることが明らかとなった。アレックス・リンスのチームメイトとして、スズキGSX-RRを駆る。
プロジェクトリーダーの佐原伸一氏は「このチームを成長させる長期的計画を期待しています」と、ミルの起用について説明。リンス、そしてミルの起用によって、スズキは若手ライダーふたりの布陣を敷くことになる。
「長期的計画というのには、若いライダーたちへの将来の投資という意味も含まれています。我々は2015年にMotoGPに復帰し、2017年にはMotoGPクラスに昇格してきたアレックス・リンスと契約しました。彼とは今年、契約を更新しています。ミルは若く才能あるライダーで、GSX-RRを開発する手助けをしてくれるでしょう」
また、チームマネージャーのダビデ・ブリビオ氏は「ジョアンは今、弱冠20歳ですが、すでに2017年には(Moto3クラスで)チャンピオンを獲得しているし、確かなスキルを持っている」と語った。
「彼と話をして、はっきりとスズキのプロジェクトに関心を示しており、チームに加わりたいと思っていることがわかった。もちろん、彼には経験を積むための、我々と成長するための時間が必要だろうということもわかっているよ」
「しかし、彼の才能にははっきりと自信を持っている。アレックスとジョアン、才能あるライダーふたりとともに、将来に向けてより強いチームをつくっていくことが目標だ」
チーム・スズキ・エクスターは2019年、若手ライダーふたりとともにさらなる躍進を目指す。
ミルのチーム・スズキ・エクスター契約発表により、ファクトリーチームの空席は埋まった。プライベーターチーム、そしてもうひとつ気になるのが、先日、2018年限りでHRCとの契約終了が発表されたダニ・ペドロサの去就のゆくえだ。トップライダーのひとりだけに、その動向を見守りたい。