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中山優馬主演 戦時下描くアイルランド戯曲『The Silver Tassie 銀杯』

2018年06月11日 14:51  CINRA.NET

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中山優馬
舞台『The Silver Tassie 銀杯』が11月に東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで上演される。

同作は第一次世界大戦から10年後の1928年にアイルランドの劇作家ショーン・オケイシーによって執筆され、翌年にロンドンで初演された作品。第一次世界大戦下のアイルランドで、優勝カップである銀杯を手にしたフットボール選手ハリー・ヒーガンが、戦地へと招集され人生が一変していく様を描いた会話劇となる。

日本初演となる今回は、主演を中山優馬、演出を森新太郎が務める。同公演はストレートプレイながら多くの歌が登場し、中山は歌に加えて楽器の演奏も披露する予定だ。

中山は「森さんが演出をなされた舞台を拝見させて頂いた時に、背筋が伸びる思いというか、神経を研ぎ澄ませて、全力で挑まないと自分には務まらないなと思いました」とコメント。森は「非常な覚悟を要する役です。今も昔も、世界中にハリーはいます。断言できますが、この舞台には俳優・中山優馬が必要です」と語っている。チケット情報などの詳細は続報を待とう。

■森新太郎のコメント
・舞台について
第一次大戦中、約20万人のアイルランド人がイギリス兵として戦場に向かった。それは、イギリス帝国内でアイルランドが対等の立場を得るための、積極的な戦争協力であった。すぐにイギリス側が勝利するという楽観的な憶測は外れ、戦争は長期化、地獄のような塹壕戦を兵士たちは味わうことになる。そして大戦の終結から10年後、ショーン・オケイシーはこの戯曲を書いた。一種の反戦劇である。
その数年前から、ダブリンの下層民たちを描いた悲喜劇「ダブリン三部作」によって、彼の名はすでに世に知られていたが、それらは常に物議を醸していた。彼は笑いをふんだんにまぶしながらも、市井の人々のありのままを描写した。そこに描かれたダブリン市民の欺瞞・不寛容・残酷さは、当時の愛国者たちにとって受け入れがたいものだった。その為、時に上演は妨害され、暴動にまで発展したと言う。『The Silver Tassie 銀杯』に至っては、劇場側が上演自体を拒絶したため、初演はロンドンで行われた。本作品では、ダブリンにおけるありふれた日常と、戦場における極限状態とが対比的に描かれる。そのどちらにも等しく‘暴力’が存在するということを、オケイシーは人々に訴えたかった。
ロンドンの初演から90年、おそらく今回が日本での初演となる。彼の鳴らした警鐘は、現在の我々にどう響くであろうか。他に類を見ない、この奇妙かつパワフルな反戦悲喜劇を、どうか劇場で目撃していただきたい。

・中山優馬について
『The Silver Tassie 銀杯』は第一次大戦の10年後に書かれました。作者のショーン・オケイシーは反骨の社会派として知られ、当時、彼の作品は常に物議を醸していました。実際、ここまで奇妙かつパワフルな反戦悲喜劇を私は知りません。今回、この大作に中山くんと挑めることを、本当に嬉しく思います。戦争によって、夢ある人生を奪われてしまう主人公のハリー。「命ある限り望みはある」という慰めの言葉すら彼には呪わしい……。非常な覚悟を要する役です。今も昔も、世界中にハリーはいます。断言できますが、この舞台には俳優・中山優馬が必要です。一緒に頑張りましょう!

■中山優馬のコメント
今回、シルバータッシーに出演出来る事大変有難く思います。森さんが演出をなされた舞台を拝見させて頂いた時に、背筋が伸びる思いというか、神経を研ぎ澄ませて、全力で挑まないと自分には務まらないなと思いました。きっと稽古の段階から濃厚で密な時間を過ごせると思います。どの様な形に仕上がったのか、是非劇場で確かめて下さい。一生懸命頑張ります。