6月10日に行われたWRC世界ラリー選手権第7戦イタリアの競技最終日で総合2位を獲得したセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)がSS完走後にマーシャルからタイムカードを受け取らずにステージを後にし、第三者の助けを得たとして、執行猶予付きのペナルティが課された。
ラリー競技では各クルーにタイムカードが配られており、SSのスタート/フィニッシュにあるタイムコントロール(TC)などでスタート時刻やフィニッシュ時刻を記入する必要がある。
オジエとコドライバーのジュリアン・イングラシアは、ラリー・イタリア・サルディニアの最終SS直前のSS19完走後、フィニッシュ地点でフィニッシュ時刻を記入するべくマーシャルにタイムカードを手渡したが、タイムカードが返却されていない状態でSS20のスタート地点へ向かってしまった。
イングラシアはSS20へのリエゾン(移動区間)中に自身のミスに気づいたというが、すでにSS19のフィニッシュ地点へ戻るには距離が離れすぎていたため、そのままSS20のスタート地点へ向かったという。
問題のタイムカードは、その後SS19を走ったオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が代理で受け取り、SS20スタート前にオジエたちへ手渡されたが、レギュレーションではクルーが第三者から物品を受け取ることが禁止されており、審議の対象になった。
審議の結果、オジエとチームには第7戦イタリアで獲得したポイント剥奪と1万ユーロ(約129万円)の罰金処分が執行猶予付きで課されることになった。第8戦以降、オジエたちが同じミスを犯した場合のみ、ペナルティが正式に執行される。
執行猶予付き処分とした理由について、スチュワードは、今回の1件は作為的なものではないこと、またマシンのパフォーマンスに影響しないことを考慮したという。
執行猶予付きではあるがポイント剥奪を免れたことで、オジエはランキング首位のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)とは27点差のランキング2位、チームはヒュンダイと28点差のランキング2位の座を守っている。