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稲垣吾郎、“ブロガーゴロー”として「好き」を発信 新たに引き出されたキャラクターの魅力に迫る

2018年06月11日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が、毎月第1日曜日に生配信している『ななにー』こと『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)。生放送ならではのサプライズもあるなかで、レギュラーコーナーがいくつか誕生してきた。そのなかでも、多くの視聴者の心を掴んでいるのが“ブロガーゴロー”のコーナーだ。昨年よりブログデビューをした稲垣が、先輩ブロガーのもとを訪ね、その人気の秘密を学ぶというもの。何より、稲垣自身が楽しんでいることが伝わってきて、見ているこちらもついつい頬がゆるんでしまう。


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 稲垣のブログは、作り手の想いが伝わってくるような料理に、明るいリビングで咲き誇るフラワーアレンジメント……まるでフォトエッセイを見ているかのような美しい写真と洗練された文章が印象的だ。ブログはリアルタイムで繋がっているTwitterの楽しさとはまた異なる“見返す喜び”も与えてくれるツール。その整えられた情報の発信方法は、毎日を丁寧に生きたいという稲垣の考え方と相性がいいように思う。


 “ブロガーゴロー”では、そんな稲垣のブログと近いジャンルの人気ブロガーがセレクトされる。初回の5月6日放送では時短料理ブロガーを、そして第2弾となる6月3日放送ではプチプラ花コーデブロガーを訪ねた。“時短”や“プチプラ”という視聴者にも真似しやすいテーマなのも、うれしいポイントだ。


 そして、ロケを盛り上げる芸能界の先輩ブロガーとして、北斗晶や渡辺美奈代も参戦。もともと稲垣に姉がいることもあってか、年上女性との距離のとり方もごく自然だ。草なぎや香取といるときには、クールでミステリアスな雰囲気を放つ稲垣が、このコーナーではかわいい弟キャラの一面が引き出され、人懐っこさが増すのも大きな見どころ。


 時短料理の回では、「結婚ってこんな感じかな」とキッチンに立って想像を膨らませ、ホクホクとした表情を見せた稲垣。きっと、ゆとりを持ってロケ撮影が行なわれているのだろう。余裕あるスケジュールから、稲垣のかわいさは生まれる。また、ブロガーのそっち~が手際よく料理を仕上げる姿を褒めると、「吾郎さんもやってたじゃないですか、BISTRO SMAPで。あれ、言っちゃいけないんですか?」と、ふいにホンネトークが始まる一幕も。稲垣は「いいんですよ、言っちゃいけない空気が世に流れてますけど」とおだやかに答える。新しい地図も、これまでの彼らの歩みと、地続きであること。改めて言葉にすることで、ファンをホッとさせたのではないだろうか。心許せる時間だからこそ、そんな大切な言葉をさりげなく引き出せる。それも、いいコーナーの証拠だ。


 また、プチプラ花コーデの回では、100円均一ショップの品揃えに驚く国民的スターらしさもチラ見え。ドレッシングボトルを買うかどうするかで迷うこと30分、さらにフラワーショップで生ける花を選ぶにもたっぷりと時間をかけてる。その様子をじっくりと見守ることができるのも、配信時間が7.2時間もあるからこそ。目を閉じて花の香りを思い切り吸い込んだり、ボトルの高さに合わせて茎を慎重にカットしたり……現実の時間を忘れて、稲垣と共に好きなことへ没頭する贅沢さ。それも、このコーナーならではだ。


 「無視ですよ、無視」不本意なコメントに戸惑うこともあるというブロガーに、稲垣が気持ちよく一蹴する場面があった。それは、常に注目を集める世界に生きてきた稲垣ならではのアドバイスだったように思う。“好き”を発信すれば、違う意見を持つ人の声が届くこともある。だが、それに振り回される必要はないのだ。みんながひとつの価値観に染まるように戦う時代ではない。同じ“好き”を楽しむ人が集まれる場所がインターネットであり、それを違うという人もまた別の場所で語らえばいいのだ。それは、このコーナーや『ななにー』にも通じているのではないだろうか。同じ“好き”が集まって、一時の楽しい時間を過ごす。そしてまた、それぞれの現実に戻り、次の楽しいひとときを糧に日々を頑張る。そうして共に豊かに生きていくこと。この番組は、そんなふうに視聴者に寄り添いながら、進化していくのだろう。(文=佐藤結衣)