トップへ

F1 Topic:カナダGPのFP3で発生したガスリーのパワーユニットトラブル。原因はホンダの新MGU-Hか

2018年06月11日 02:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2018年F1第7戦カナダGP ピエール・ガスリーは決勝に向け新PUを再び交換
カナダGP土曜日のフリー走行で、ピエール・ガスリーのパワーユニットにトラブルが起きたホンダ。その原因については、「調査中です。これからさくらに送り返します」(浅木泰昭執行役員/HRD Sakura)と語っていた。 

 つまり、原因だけでなく、壊れた場所もホンダは明言を避けている。

 だが、土曜日の予選後に行われたブレンドン・ハートレーの囲み取材で、こんなやりとりがあった。チームメイトのガスリーにトラブルが起きて心配はないかという質問に対して、ハートレーはこう返答したのである。

「僕のMGU-Hは、ピエールが搭載していた新しいものじゃないから、心配はしていない」

 この言葉を信じるなら、今回ガスリーのPUにおきたトラブルは、新しく投入した新スペックのICE(内燃機関)ではなく、MGU-H(熱エネルギー回生システム)だということが想像できる。

 ただし、このハートレーの回答には、もうひとつ別の重要な事実が隠されている。今回カナダGPでガスリーは新スペックのICEのほかにすべてのコンポーネントを新しいものに交換している。その中で性能を向上された新しいスペックは「ICEだけ」だと田辺豊治F1テクニカルディレクターは説明していた。

 しかし、ハートレーの言葉には自分のMGU-HとガスリーのMGU-Hの仕様が違うという意味が込められている。

 その件を、開幕戦のオーストリアGP以来の視察として、今回カナダGPを訪れていた浅木執行役員に尋ねると、「新しいといったら、ちょっと大げさで、気がついたところは時間が許す限り変えます」と否定はしなかった。

 つまり、ホンダのアップデートはICEだけでなく、ほかのコンポーネントも改良されている。それをホンダが知らせないのは、そこに何らかの秘密が隠されており、そのことをライバルに悟られたくないからだと考えられる。