2018年のWRC世界ラリー選手権は6月9日、第7戦イタリアのSS10~SS16が行われ、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が総合首位、3.9秒差でティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が追う展開になっている。総合3番手はトヨタのエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)だ。
前日の雨まじりの天候とは一転、ラリー・イタリア・サルディニアの競技3日目は好天に恵まれ、ドライコンディションのなかで争われた。
シリーズチャンピオン争いを繰り広げているオジエはSS11でステージトップタイムを刻んで、自身のリードを19.5秒まで広げる。
しかしSS12、オジエは思うようにリズムに乗って走れずステージ6位。ここではヌービルはオジエより14.6秒速くステージを走り抜けてトップタイムを刻んだため、両者の差は一気に4.9秒まで縮まった。
SS13ではオジエがスタート時にエンジンストールするアクシデントがあり、2.9秒までギャップが短縮。
続くSS14ではヌービルがタイヤをパンクさせたため、一時は6.9秒まで差が広がったが、ヌービルはSS15~16と連続でトップタイムを記録し、3.9秒差まで詰め寄っている。
「かなりタイトな戦いだ」とオジエ。
「午後はかなりプッシュした。午前中最後のステージ(SS12)での走りに苛立ちを覚えていたからね。あそこでティエリー(ヌービル)に対して、かなりの時間を失った」
「週末を通してプレッシャーを感じているけど、勝つためにはプッシュし続けないとね」
追いかけるヌービルは、SS14でのパンク以降、マシンに積んでいるスペアタイアがひとつしかなかったことを明かし「もう一度タイヤをパンクさせたら、かなりタイムを失うことはわかっていたけど、プッシュし続けることにした」と語る。
「リスクを背負うべき場面だったし、うまくこなすことができたと思う。まだ戦いの行方は想像がつかないし、明日も激しい戦いになるだろう」
オジエ、ヌービルに続く総合3位争いはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)とラッピによる一騎打ちの展開となり、3日目最終のSS16を終えた時点で両者は5.3秒差と接近。
しかしラトバラのマシンにはSS16終了後のリエゾン(移動区間)で、オルタネータートラブルが発生してしまいストップ。修復を試みたものの、修理が叶わずデイリタイアすることになってしまった。
これで総合3番手にはラッピが浮上。表彰台争いから脱落したラトバラはメカニックがマシンを修復したため、競技最終日には参加する。
総合4番手はヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合5番手はマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)がつけたほか、前日マシントラブルでリタイアしていたタナクはラリー2規定で競技3日目に参加。総合9番手までポジションを戻している。
WRC2クラスを戦うトミ・マキネン・レーシングの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は総合18番手/クラス7番手で3日目を終えている。
競技最終日となる10日はSS17~20が行われる。