2018年のWRC世界ラリー選手権は6月8日、第7戦イタリアのSS2~SS9が行われ、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が総合首位に浮上。トヨタのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手につけた。
■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合首位
「最終的に完璧な結果を出すことができた。自分たちのパフォーマンスには満足しているよ。今朝はリスクを背負うべきムードではなかったけど、明日に向けて好位置につけるためにはもう少し攻めるべきだったね」
「午後の最初のSSは本当に厳しくて、こういうコンディションではリズムを作っていくのが難しい。20秒タイムを縮めているのか、失っているのか見当がつかないから、SSを走り終えた後にタイムを確認することになる。今回はうれしいサプライズだったね」
「明日がドライコンディションになるなら、いい出走順を確保しておくべきだったけど、まだ先は長い。19秒のリードには満足しているけど、リラックスできるほどの余裕はないね」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合22番手
「右コーナーでマシンが止まりきらず、(ライン取りが)ワイドになって土手に激突してしまった。それでステアリングアームを壊してしまったんだ」
「幸い、マシンにスペアパーツを積んであったから修理することはできたけど、多くの時間を失ったし、好成績に挑むチャンスを失った」
「そのあとはプッシュする理由もないから、ゴールすることだけに集中するしかなかった。マシンのフィーリングはかなりよかったから、本当に悔しいよ」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合20番手
「きょうはペースがよかったから、それには満足しているけれど、残念ながら最終ステージでミスをしてしまった。単純にスピードを出しすぎてしまったよ。
「フラットなコーナーだと思っていたんだけど違ったんだ。リヤがワイドになってしまって石にぶつかってコースアウトしてしまった」
「明日は経験を積んで、多少いいペースを披露しなきゃね。経験を積むことが重要だから、大きなリスクを負う必要はない。だけど、いいリズムで走って、いくつか(のステージで)いいタイムを出せたらいいね」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合26番手
「僕たちにとって今日は大きくふたつの結果に分かれた1日だった。ポジティブな心境で自信を持ってスタートしたんだ。午前中の走行は素晴らしかったし、大きなリードを広げることができた」
「マシンに施した変更の効果をみせることができたのはよかった。前回のラリーでは証明することができなかったからね。その勢いを午後に入ってからも維持したかったけど、そうはならなかった」
「SS6でオーバーシュートして多くのタイムを失ったし、SS7ではトランスミッションのトラブルで、ギヤがリバースに入ったままになってしまった。マシンはサービスに戻され、僕たちは土曜はラリー2規定のもとでスタートすることになる」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合2番手
「チャレンジングな1日だったのは確かだよ! 一番最初にコースに出ることは、コンディションに関わらず簡単なことではない。オープニングの走行は雨だったから(先頭走者としての)デメリットを最小限に抑えることができたけど、それでも苦戦するだろうと分かっていた」
「マシンの挙動は良く、何度かステージ優勝を飾ることができたし、総合2番手で終えることができたからとても満足しているよ」
「僕たちはクレバーなタイヤ戦略を採らなければいけない。午前中はうまくいった。最終ステージまでに新品タイヤが2本残っており、車内に重ねて置いておくことにした。残念ながらそのせいでマシンのハンドリングのバランスが大きく狂ってしまったけどね」
「マシンは不安定で頼りなく、よく滑るようになってしまったんだ。プッシュしていこうとしたが、予想外のことが何度か起きた。明日も厳しい状況のままだろうけど、僕たちはベストを尽くすよ」
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合6番手
「今日のパフォーマンスや結果には満足できない。試してみたことがどれもうまくいかなかった。何もしっくりいかなかったんだ」
「午前中はタイヤ戦略でちょっとした賭けに出た。実際よりも路面が乾いているだろうと予想したんだ。タイヤのことはさておき、大事なリズムを掴めなかったし、プッシュしていく自信も持てなかった」
「慎重に進んでいく以外に選択肢はほとんどなかったけれど、トラブルなしで1日を終えることができた。総合6番手に入ったことが少しは慰めになる」
■シトロエン・レーシング
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合7番手
「今日はとても良い1日というわけではなかった。特にハンドブレーキに問題があったからね。今日のような曲がりくねったステージでは、ハンドブレーキを多用することになる。ステージのひとつでは3度も(エンジン)ストールしてしまい、かなりのタイムを失った」
「明日の出走順は2番目だから、また厳しい状況になるだろう。でもできることはすべてやり、失ったタイムを挽回したい」
●マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合26番手
「このラリーが簡単だったことはないが、今日の酷い天気のせいでより一層難しいものになったことは間違いないよ。僕たちは少しついていなかった」
「特にテルグとオージロ間のステージ(SS4、SS8)でのタイヤ選択で2度ミスをした。でも最終ステージで2番手のタイムを出したことに目を向けることにするよ。明日の出走順がとても有利になるということだからね」
■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合3番手
「とてもポジティブな1日だった。今朝の2本目のSSは少し慎重に走り過ぎたと思うけど、その後リズムをつかみスピードを上げることができた」
「トゥーラのステージを2回目に走った時(SS6)は、大量の雨と泥でまるでウェールズのような滑りやすい路面コンディションだった。ステージの終盤に大きく遅れてしまったけど、その後コンディションは良くなり、自信を持って攻められるようになった結果、SS9ではベストタイムを出すことができたよ」
「 エサペッカとのタイム差は少ないから、明日はきっと接戦になるだろう。明日はお気に入りのステージを走りますが、何よりも大切なのはミスをしないこと。その上でスピードを高めていくことができれば、きっと良いポジションを得られるはずだ」
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合19番手
「今日最後のSS9でジャンプの着地の際、クルマにダメージを負い止まらざるを得なかった。SS9のコースは昨日のシェイクダウンと午前中のSSでも走行していたから今回が4回目の走行。つねに同じアプローチで走っていたから、一体何が起こったのか説明することが難しく、自分でも本当に驚いている」
「 非常に厳しい状況だし、大きな後退だと感じているよ。正直なところクルマのフィーリングは完璧ではあなかったけど、それでも特に大きな問題なく走っていたし、トップ争いもしていたから、このような問題によってデイ2からリタイアすることになり本当に残念だ」
「タイトル争いはかなり厳しくなったけど、残りのラリーをすべて勝つつもりでこれからも戦い続ける」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合4番手
「今朝はとても難しい状況だった。クルマのフィーリングは良かったけど、最初のSSでスローパンクチャーを喫してしまった。搭載していたスペアタイヤはハードコンパウンドだったから、雨によって滑りやすくなった路面には合わなかった」
「午後の最初のステージは雨と泥で信じられないようなコンディションだったけど、良い走りができタイムを挽回することができた」
「その後路面が乾いていったのでクルマのセットアップを少し変えて最後のSSに臨み、トップに迫るタイムを記録することができた」
「明日に向けてさらにグリップが得られるようにクルマを調整し、表彰台を目指して戦うよ」