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『ひよっこ』松本穂香ら多数ブレイク “朝ドラ脇役出身”は若手女優のハイレベルな新登竜門に

2018年06月09日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 NHK朝の連続テレビ小説が、多くの若手女優にとってブレイクの登竜門として位置付けられているのは言わずもがな。半年間にわたって“朝の顔”となるヒロインに抜擢されれば、ほぼ確実にあらゆる世代に存在を認知してもらえ、その後は多くの映画やテレビドラマ、CMなどで抜擢されることが確約されており、一気にブレイクの階段を登っていくことができる。


 とはいっても、現在放送中の『半分、青い。』の永野芽郁をはじめ、『ひよっこ』の有村架純など、朝ドラ抜擢前から比較的多くの世代に認知されているブレイク済み女優がヒロインに起用されるケースも増えてきた印象だ。とくに次期の『まんぷく』では安藤サクラ、その次の『なつぞら』では広瀬すずと、すでに国民的女優の地位へとのぼり詰めた2人が待機しており、“登竜門”らしさが少々弱まりはじめているようにも見受けられる。


 その代わりに、ヒロインではなくその友人役であったり、脇を固める女優にスポットが当たりはじめるようになってきた。過去にはヒロインの夫の妹役で『ごちそうさん』に出演した高畑充希が、のちに『とと姉ちゃん』でヒロインを務めるなど、脇役を経てから朝ドラのヒロインへと昇格するケースが多くあったが、最近は朝ドラから離れ、別路線で輝きを放つというパターンが増加傾向にあるようだ。


『この世界の片隅に』松本穂香
 まず『ひよっこ』で有村架純演じる谷田部みね子が集団就職で入社する向島電機の同期・青天目澄子を演じた松本穂香は、同作以後コンスタントにドラマや映画への出演が増え続けている。auのCM「意識高すぎ!高杉くん」シリーズでコミカルな表情を披露し、現在公開中の『恋は雨上がりのように』ではヒロインのバイト仲間を好演。そして7月から放送されるTBS系列の日曜劇場『この世界の片隅に』では、オーディションで約3,000人の中からヒロイン・すず役に大抜擢。夏以降も出演映画の公開が目白押しの彼女は、2018年を代表するブレイク女優へと上りつめること間違いなしだ。


 続いては『わろてんか』で葵わかな演じる主人公・てんのお付き女中・トキを演じていた徳永えり。『あまちゃん』や『梅ちゃん先生』にも出演するなど、すっかり朝ドラ脇役の常連となっていた彼女は、同作でついにブレイクのチャンスを得て、4月クールにはNHKの『デイジー・ラック』とテレビ東京の『ヘッドハンター』でそれぞれレギュラー出演を果たすなど、引っ張りだこに。元々は宮崎あおいや栗山千明らを輩出した元祖若手女優の登竜門『ピチレモン』出身の彼女。“ピチレ出身女優”と“朝ドラ出身女優”のふたつの看板を背負ってさらに飛躍をみせてくれるだろう。


 他にも『べっぴんさん』の終盤で“キアリス”の社員として出演し、その後映画やドラマが後をたたない大西礼芳、“ニコモ”出身で女優デビューとなった『あさが来た』でいきなり2役を演じきった清原果耶。『とと姉ちゃん』でヒロインの女学校時代の級友を演じ、現在公開中の『孤狼の血』と『海を駆ける』で印象的な演技を披露している阿部純子。『マッサン』と『あまちゃん』を経て、今年の春には話題の映画に相次いで出演を果たした優希美青など。


 前述した『ピチレモン』出身者や、榮倉奈々や波瑠といった朝ドラヒロイン女優も輩出している『Seventeen』出身者など、モデルからステップアップしていく女優と、女優一本で道を切り拓いていく女優がしのぎを削りあう“朝ドラ脇役”は、実にハイレベルな登竜門といってもいいだろう。もちろん、現在放送中の『半分、青い。』でヒロインの幼なじみを演じている奈緒であったり、弓道を嗜む美女を演じる古畑星夏にも今後注目していく必要があるということだ。(久保田和馬)