2018年、3台のトヨタ・ヤリスWRCでWRC世界ラリー選手権に挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRT。シーズン折り返しとなる第7戦イタリアの競技初日では全車がステージを完走し、3台揃って総合トップ10圏内に食い込んだ。
地中海に浮かぶイタリア・サルディニア島を舞台に争われているラリー・イタリア・サルディニア。大会は7日の現地夕方、サルディニア島のアルゲーロ近郊でSS1が行われて幕を開けた。
午前中に行われたシェイクダウンではエースのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)がトップタイムを刻むなど好調な滑り出しをみせたトヨタ勢は、全長2kmのSS1でも大きなミスなく全車が完走。
ステージ距離が短く、全体的に大きなタイム差がつきにくいことから総合順位こそ、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が6番手、ラトバラが8番手、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が10番手となっているが、トップとタナクの差はわずか2.5秒と留まっている。
チーフエンジニアを務めるトム・フォウラーは「シェイクダウンはポジティブな内容だった。ドライバーはセットアップに満足していたし、シェイクダウンで自信を得られたのは非常に意味がある」とコメントしている。
「明日の朝から始まる本格的なSSをきっと楽しみにしているはずだ。今週末はサルディニア島らしい良い天気になると思われるが、シェイクダウンでは雨が降り、明日の朝はどうやら湿った路面を走ることになりそうだ」
「シェイクダウンでは湿った路面に適した、やや軟らかめの足まわりセッティングを試すことができたけど、同時にドライ路面用のセットアップでも走り、すべてがうまく機能していることを確認した。明日の朝は最新の気象情報を基に、クルマのセットアップを決めることになるだろう」
シェイクダウンをトップで終えたラトバラは「シェイクダウンは雨に見舞われたが、私の記憶では過去10年間雨は降っていなかったと思う」と語った。
「通常このラリーは出走順が大きく影響し、早い出走順の選手は不利になる。しかし、もし大雨により明日の朝路面が濡れていたとしたら、私が得られるはずのアドバンテージはなくなるだろう」
一方、ドライバーズランキング3位につけているタナクは、出走順が早いことから「明日も路面が湿っていることを期待しているし、そうなればきっと大きな助けになるだろう」と述べた。
「選手権争いを考えると、このラリーで良い結果を残すことが私たちにとってとても重要なんだ」
また、ラッピは「最初のSSはかなりアグレッシブに攻めた。通常、あまりスーパーSSが得意ではないけど、少しドライビングスタイルを変えて臨んだ」とSS1をふり返っている。