高速道路で出産介助した警察官、18歳になった少年の卒業式に参加（米）
2018年06月08日 15:32 Techinsight Japan
1999年11月13日の午前1時半頃、米メリーランド州モンゴメリー郡の高速道路で交通違反の取り締まりをしていた同郡警察官のロバート・ハントさんは、ミニバンに乗った男性に助けを求められた。それがデュボイス一家との出会いだった。
「妻がもう出産しそうなんです。どうしたらいいかわからない。」
ハントさんはすぐに手袋を掴んで同僚とともにミニバンへ向かったところ、お産が始まっていたという。ハントさんは赤ちゃんの首に巻き付いていたへその緒を素早く外して気道を確保し、スムーズに生まれるように介助した。誕生した赤ちゃんをタオルに包み、母のメリッサさんへと手渡した。男児はその後、両親により無事病院へと運ばれた。
出産の介助をして以降、ハントさんは2度デュボイス家のもとを訪ねた。またクリスマスカードのやり取りも、ずっと続けてきた。しかしハントさんがトーマスと名付けられた男児に会ったのは、赤ちゃんの時だけだった。ところが先月、ハントさんの同僚が思いがけないことを尋ねてきた。同僚は我が子が通うオークデール高校の卒業アルバムにハントさんが写っていることを知り、驚いて連絡してきたのだ。その卒業アルバムには、ハントさんがちょうど生後1か月になったトーマスさんを腕に抱いている写真が掲載されており、ハントさんはトーマスさんがその高校の卒業を迎えることを知った。
18年前に出産に立ち会った少年の卒業式に参加して是非祝福してあげたい―そう思ったハントさんは、式へのチケットを購入し6月1日に卒業式が行われるマウント・セント・メアリーズ大学へと出向いた。式のために同大学の体育館にいたトーマスさんは、教師の1人から「18年ぶりにあなたに会いたいという人が来てくれているよ」と聞かされて驚いた。後にトーマスさんはこのように話している。
「最初は誰なのか想像もつかなかったんですけど、ハントさんの顔を見た瞬間、あの写真の男性だと思い出しました。卒業式に来てくれるなんて素敵なサプライズで嬉しかったです。」
また、式に同席していた母親のメリッサさんは昨年8月に夫のジョーさんを亡くし、辛い日々が続いたが「とても素敵なサプライズを貰い、ハントさんに改めて感謝しています」と喜びを露わにした。現在24年のキャリアを持つハントさんは「トーマスさんを取り上げた時は、恐らく私のキャリアで最も素晴らしい日だったと言えるでしょう。我々の仕事は、普段良いことよりも悪いことに対応する時が多いですからね」と語っており、トーマスさんの卒業式の日は久しぶりに会ったデュボイス一家と素敵な一日を過ごしたようだ。
なおトーマスさんには、出産に立ち会ってくれたハントさんと同じ「ロバート」という名前がミドルネームにつけられているという。
画像は『Inside Edition 2018年6月5日付「Officer Attends Graduation of Teen He Delivered on Side of Road 18 Years Ago」（Officer Robert Hunt）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 エリス鈴子）
