ルノーF1チームは、高速走行時のR.S.18にアンダーステアが出てしまう問題に対して、解決策はあると考えている。
アンダーステアは5月に行われたスペインGPで特に顕著に出ており、モントリオールで開催される次戦カナダGPにおいても、再びパフォーマンスを左右する要因になりかねない。
しかしチームのテクニカルディレクターであるニック・チェスターは、チームの悩みに終止符を打つ解決策はあると話す。
「我々は高速走行時に若干のアンダーステアが出る問題を修正すべく、取り組んでいる。どうすれば解決できるのかは分かっている。そのためのパーツを開発し、コースに持ち込むまでに時間がかかるだけだ」
「問題解決に役立つ特定のパーツが完成するのを待っている。モントリオールで戦うころには受け取れるはずだ」
チェスターによれば、問題が最初に発覚したのはバルセロナで行なわれたプレシーズンテストだったという。そしてこの問題は、チームが同じコースに戻ってきた5月のスペインGPでも、まだ解決されていなかった。
「これは問題になるだろうと思っていた。今シーズン後半にはスペインのようなタイプのコースがいくつかあるので、パーツを持ち込む予定だ」
ルノーはまた、レースに向けて新スペックエンジンを導入する予定だ。ただ、現在ルノー製PUの供給を受けるドライバーは全員が、このアップデート版を使用することになる。
「カナダGPでBスペックのエンジンを投入することを、楽しみにしている。これでパフォーマンスがもう少し向上するだろう」
「ボディワークも数カ所アップデートされる。リヤウイング末端のプレートや、フロントウイングの小規模な変更などがある」
「我々はレースのたびに、何かを取り入れようと努力しているのだ」とチェスターは付け加えた。
こうした改善点はどれも、カナダGPが行なわれるジル・ビルヌーブ・サーキットでは特に効果が期待されている。
「カナダで必要なのはパワーとトラクションだ。直線でのスピードも必要なので、ダウンフォースが低めのセットアップが求められる」とチェスターは説明した。
「ここは低速コーナーや長い直線が多く、トラクションが大変重要なサーキットなのだ」
「ダウンフォースのバランスを決めるのは非常に難しいが、我々は通常、コースに到着した後にどのレベルで走行すべきかを算定することに長けている」
「カナダでは縁石の使い方も重要になる。最高の空力を得つつ、縁石に乗り上げられる状態とのバランスを取るために、マシンの車高を低くして硬めのセッティングにする必要がある」
「空力プラットフォームに最も適した車高を決める必要がある。空力パフォーマンスと、縁石を使う走行との間でバランスを見つけるということだ」