6月16~17日に開催される第86回ル・マン24時間レースの事前テスト“ル・マンテストデー”が6月3日、フランスのサルト・サーキットで行われ、ル・マン挑戦3年目となる澤圭太とクリアウォーター・レーシングは、LM-GTEアマクラス3番手につけた。
ル・マンテストデーの約1カ月前、5月3~5日に行われた2018/19年WEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースで、クラス3位という幸先の良いスタートを切ったクリアウォーター・レーシング。
クロームカラーの61号車フェラーリ488 GTEを走らせるチームは2016、2017年に続く3年目も過去2年と同様に澤、ウェン-サン・モク、マット・グリフィンというドライバーラインアップでル・マンの“栄光”を目指す。
迎えた3日のテストは午前と午後に4時間ずつ合計8時間のセッションが設けられていたが、度重なるアクシデントによって赤旗やセーフティカー、コースの一部が80km/h規制となるスローゾーンが断続的に導入されたことで、各チームとも走行時間は大幅に削られた。
そんななかクリアウォーター・レーシングは、まず澤をコースに送り出しマシンのバランスチェックを行っていく。その後、1時間半に渡って走行を続けた澤は新品タイヤでのアタックを実施し、その時点でクラス首位となる3分58秒659というタイムをマークしてみせる。
その澤から代わったオーナードライバーのモクが1年ぶりのル・マンでコース慣熟走行を順調にこなすなかで午前のセッションが終了。結局このセッションでは澤のタイム上回るチームは現れず、クリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリがタイムシートのクラス最上段に名を連ねることとなった。
午後はエースドライバーのグリフィンがセットアップの調整を進めながら、路面にグリップが乗ってきた頃を見計らってタイムアタックを実施する。タイムは3分56秒672でクラス2番手となったが、その後ライバルがタイムを更新したことで61号車フェラーリはクラス3番手でテストを終えている。
世界三大レースのひとつとして数えられるレースの大舞台を前に「WECフル参戦2年目の開幕戦をクラス3位で終え、いよいよ自身3度目の挑戦となる夢の舞台『ル・マン24時間』を迎えました」と語った澤。
テストでは「過去2回よりも自信を持って挑むことができましたし、走り出しから順調で新品タイヤでのアタックも満足いく走りができました」と手応えを感じている様子だ。
「2016年の初挑戦時はクラスポールポジションを獲得しながら惜しくもクラス4位、昨年は予選が不調だったものの決勝はクラス5位でした。ただし、決勝中の接触とそれによるタイヤパンクチャーがなければ表彰台が見えていたレース展開でもありました」
「3度目となる今年はどう戦えば悲願の表彰台に辿り着けるかをチームも、ドライバーひとりひとりも理解しています」
参戦車両であるフェラーリについては「テストデーを前にBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)の再調整を受け、マシンの戦闘力は他メーカー(のGTEマシン)と拮抗していると感じています」とコメント。
「もともと決勝に強いマシンなのであとはミスなく、接触なく、車両トラブルもなく、セーフティカーランなどにも翻弄されずに過去2年の経験をフル稼働して、通常よりも長くお祭り要素も多く含まれる本戦でオン、オフを上手く切り替えて戦うだけです」
2018年のル・マン24時間は6月10日(日)に公式車検が行われ、13日(水)から公式練習、公式予選がスタート。14日(木)に続く予選2回目、3回目を経て16日(土)15時に24時間レースのスタートが切られる。