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「喫煙者を採用しない企業」に賛同の声、愛煙家「門前払い」どう考える?<読者コメント>

2018年06月08日 10:42  弁護士ドットコム

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近年、喫煙所はもちろん、喫煙できる飲食店も減ってきています。そんな中で「喫煙者を採用しない」ことを公言する企業について検証した記事を掲載(「喫煙者は一切採用しない」こんな企業の方針は「差別」にあたらないのか? https://www.bengo4.com/internet/n_7929/)したところ、記事のコメント欄に多くの投稿が寄せられました。一部を紹介します。


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●コストの面からみた賛同の声

「この方針は非常に良い対応だと思います。こういう企業が増えて欲しいです」(男性・20代)


このように、喫煙者を採用しないことに賛同する声が多数ありました。


「喫煙者がいるだけで灰皿などの備品にかかる経費や清掃代だけを考えても無駄なことばかりなので、採用しない方針は賛同出来ます」(男性・40代)



このように、コストの観点から賛同できる方もいるのではないでしょうか。別の40代男性は、都内にある「完全禁煙ホテル」を紹介したうえで、「管理者も嫌煙者で、掃除・壁、カーテン・部屋の汚れや臭いも計算に入れ将来、喫煙にした場合は明らかに『損失が出る』から『完全禁煙』にしたと言う」と背景を語っています。


●喫煙者の不採用を掲げる「星野リゾート」

「ここでは『企業の採用』で『喫煙者不採用』となっているが、今に始まった事ではない。『星野リゾート』が先駆けではないか」と投稿する40代男性も。


たしかに、星野リゾートグループのホームページをみると、「喫煙者は採用いたしておりません」と明確に書かれています。記事で紹介したIT企業「div」も、喫煙者を採用しない理由として、(1)健康のリスク、(2)生産性の低下、(3)周囲への悪影響を挙げていましたが、星野リゾートも、(1)作業効率、(2)施設効率、(3)職場環境を重視しているようです。


禁煙して約10年になるという男性は、「煙草を吸っていたときは、すぐに煙草を吸いたくなって集中が永続きしなかった。『時は金なり』ということを感じることができたので、禁煙できて良かったと思っている」と実際に生産性や作業効率が上がったことを感じているようです。


●もし1日数本喫煙するだけの「スーパープログラマー」だった場合

喫煙者を採用しない方針に賛同しつつも、「もし1日数本吸う程度の喫煙者でトップレベルのプログラマーだったとしても本当に採用しないのか ちょっと気になる」という50代男性も…。たしかに、数本の喫煙でも喫煙者に変わりありません。


これについて、「まあ、採用条件に書いてあるんだから応募しなければいいたけじゃん?面接まで行って、喫煙者だからさいようみおくりました。みたいな、あとからそういうの書くより、最初からそういうふうに書いてあるところは、堂々としてていいとおもうけど?」(30代男性)という意見もありました。


喫煙者の採用に否定的ではない企業で喫煙を継続するか、スキルを活かすために喫煙者を採用しない企業で禁煙するか。喫煙者が選択を迫られる時代もやってくるのでしょうか。


●完全シャットアウトに否定的な「愛煙家擁護論」も

ここまで、喫煙者を採用しない方針に賛同するコメントを紹介してきましたが、愛煙家から喫煙の自由を完全に奪ってはいけないと主張する意見もありました。


ある30代男性は「副流煙と臭いがなければここまで言われないだろうに」としつつ、「場所や環境によっては迷惑がかかる行為でも、法律が禁止していないなら迷惑がかからない所でやればいい」と喫煙自体は否定していません。


また、父親がヘビースモーカーであったという男性も、「完全に社会からシャットアウトするやり方はいけません。人道に則った方法で対処すべきです」と述べています。


さらに、呼吸器疾患の治療を受けている40代女性からのコメントもありました。女性は職場が分煙になるまで受動喫煙で苦しんだほか、駅で歩きタバコをする喫煙者にも悩まされてきたようです。ただ、受動喫煙を避けたいという思いの一方で、「喫煙者の雇用をしないということは、受動喫煙をしたくないという私にとっては、非常にありがたくも、初めて知った時はかなり極端な考えに思えました。個人的には、喫煙者が自宅に帰ってから吸うのは構わないと思っています」と冷静に見つめています。


社会の流れとして、これから喫煙者に対する風当たりは厳しくなっていくでしょう。一方で喫煙する自由は、憲法13条の保障する基本的人権に含まれていると言われています(ただし、制約できると考えられています)。喫煙者の排除はどこまでが許されるのか、みなさんはどう考えますか。


(弁護士ドットコムニュース)