レッドブル・レーシングはF1カナダGPでダニエル・リカルドのパワーユニット・エレメントを交換する見通しであり、グリッド降格ペナルティを受けるのは確実だと述べていたものの、木曜、リカルドはペナルティを避けられることになったとコメントした。
前戦モナコGPでリカルドはMGU-Kにトラブルを抱えながら走り切り、優勝を飾った。先週、このMGU-Kにはダメージがなく再利用可能であることが分かったとして、レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコが「モントリオールではグリッドペナルティを受けずに済みそうだ」と発言したと報じられた。しかし今週、チーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイがその見通しを打ち消し、リカルドは「間違いなくモントリオールでペナルティを受ける」「K(MGU-K)については確実だ」と語った。
ところが木曜にリカルドが明かしたところによると、ペナルティは避けられる見込みだということだ。MGU-Kを以前使用したものに交換して週末に臨むという。
「今の時点ではノーだ。(今週末グリッドペナルティを受けるかという問いに対する)答えはノーだよ」とリカルドが語ったとF1公式サイトが伝えた。
「プラクティスで何かが起きて交換しなければならなくなれば、ペナルティを受けることになる。でも今のところは使えるパーツが十分ある。それが信頼性を発揮してくれたら、今週末を乗り切ることができる」
2018年F1規則では、21戦のなかで6エレメントのうちエンジン(ICE)、MGU-H、ターボチャージャーは3基に、エナジーストア、コントロールエレクトロニクス、MGU-Kは2基に制限され、それを超えるとグリッド降格ペナルティを科される。
リカルドは第6戦モナコの時点ですでにパワーユニットの6エレメントすべてについて2基目に突入しており、ペナルティが目前に迫っている状況だ。リカルドは、なんとかカナダを乗り切り、ペナルティを次戦フランス以降まで遅らせたいと語った。
「(グリッド降格は)早ければポール・リカールで受けることになるかもしれない。ここでペナルティを受けるという説も耳にしたが、その時は『ここじゃなくてポール・リカールにしようよ』と思った」とリカルドは言う。
「ここはオーバーテイクが難しいサーキットだ。今の僕らはいい流れに乗っているのに、ペナルティを受けたら勢いを失ってしまう」
「今週末は回避して、他のところで受ける方がいい。できるだけ遅らせるつもりだ。ペナルティを早い時期に受けてしまうと、シーズン中にまた受ける羽目になる」
「ここにはハイパーソフトタイヤが導入される。モナコでハイパーソフトをうまく使えたから、今週末、それがチャンスにつながるかもしれないんだ」
「このサーキットは、今後の数戦に比べれば、比較的僕らとの相性がいい。2連勝できたら最高だね。でもたとえば15番グリッドからのスタートでは、(勝てる)可能性はかなり低くなるだろう」