FIA国際自動車連盟は6月7日、フィリピンのマニラで行われたワールド・モータースポーツ・カウンシルの議決として、2020-21シーズンからのWEC世界耐久選手権のLMP1クラスに関する議論の概要などの項目について発表した。
WECのLMP1クラスは、2017年限りでポルシェが撤退。2018-19年シーズンとして開催されている今季は、メーカーワークスとしてはトヨタのみが参戦。他のLMP1車両はすべてガソリンエンジンを積むプライベーターチームとなっており、ハイブリッドを使うトヨタとの性能差はEoTによって均衡化が図られている。
そんなWECの2020-21シーズンに向け、FIAは進行中の議論の内容のうちふたつを発表した。ひとつは、現在のLMP1の予算に対して4分の1の目標予算を定めること。また、もうひとつは“ハイパーカー”コンセプトを採用することで、ブランドのイメージに合わせたデザインの自由化を図ることだ。
この議論はポルシェのLMP1撤退後、マニュファクチャラーとFIA、ル・マン24時間を運営するACOフランス西部自動車クラブの間で話し合われてきたもので、すでにACOのピエール・フィヨン会長は、メーカーがハイエンドの市販車と似たプロトタイプカーを製作できる“GTP(GTプロトタイプ)のような”コンセプトを明らかにしていた。
議論には少なくともトヨタ、フォード、アストンマーチン、フェラーリ、そしてマクラーレンという5社が参加しており、北米で開催されているIMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップにも対応するものになるという。
7日にFIAから発表された内容については、ル・マン24時間の期間中に、サルト・サーキット内で発表される予定だという。また、FIAはWECについて、女性ドライバーの積極的な参戦を促すこと、2019年のセブリング戦のレース距離が1500マイルから1000マイルに変更されるという提案が承認された。