FIAは6月7日、フィリピン・マニラでワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)を開催。このなかで2018/19年ABBフォーミュラE選手権の開催スケジュール、レースフォーマットなどが決議された。フォーミュラEの第5シーズンは全13戦が予定されている。
ニッサンがワークス参戦を開始するフォーミュラEの第5シーズンは、“Gen2”と呼ばれる次世代シャシーが導入。搭載されるバッテリーの容量が引き上げられるため、レース中の車両乗り換えが不要となり、レース中に使用できるパワーも引き上げられるなど、大きく変化を遂げるシーズンでもある。
そんなフォーミュラE第5シーズンは2018年12月15日にシリーズ初開催となるサウジアラビア・ディルイーヤで開幕。電動フォーミュラでの争いが中東に初上陸することになった。
以降は2019年2月、6月を除いて、1カ月に2レースを開催するようなスケジュール。1月は第2戦モロッコと開催地未定の第3戦、2月は第4戦メキシコが予定されている。
これまで開幕戦を務めてきた中国戦は3月10日の第5戦香港と開催地未定の第6戦となった。
4月からはヨーロッパラウンドが開幕し、イタリア・ローマ、フランス・パリ、モナコ、ドイツ・ベルリン、スイス・チューリッヒなどでレースが行われる。
シリーズ最終戦は7月13~14日のダブルヘッダーとしてアメリカに上陸。ニューヨークでの連戦で幕を閉じる。
また、Gen2シャシー投入にあわせてレースフォーマットについても、さまざまな変更が加えられた。
まず、決勝レース中に使用できる電力量は200kWでの走行が標準となり、これまでは予選などで使われてきたハイパワーモードは225kWへ。このハイパワーモードはレース中“アクティベーション・ゾーン”を通過している際、各ドライバーが任意に使用可能となる。
ハイパワーモードについては、レース中の使用回数に制限が設けられていることから、プッシュ・トゥ・パスやオーバーテイク・ボタンのような役割を担うことになる。
ファン投票で選ばれたドライバーのみが使用できるファンブーストは上述のハイパワーモード使用時にのみ利用でき、最大250kWで走行できる。
なお、アクティベーション・ゾーンについてはテレビ中継などで分かりやすいような演出がなされるほか、ハイパワーモード、ファンブーストの使用は、ドライバー保護デバイス“ヘイロー”に取り付けられたLEDライトで識別できるとのこと。
そのほか、これまで周回数で競われてきた決勝レースは、45分+1周の時間レースに変更。ファステストを記録したドライバーに与えられてきたボーナスポイントは、レース中、もっとも“省エネ”で走行したドライバーに与えられることになった。
フォーミュラEのアレハンドロ・アガグCEOは「これまでABBフォーミュラE選手権は、ハイレベルで予測不可能なレースを提供すると同時に、イノベーションの代名詞として君臨してきた。次のシーズンも同じものを体現できる」と自信を示す。
「フォーミュラEの第5シーズンでは挑戦的かつ斬新なコンセプトを盛り込み、未来的スタイルの新型マシンが性能と効率性を進化させていく様子をお届けする」
「新たなレースフォーマットとパワーフォーマットは、ビッグメーカーや名だたるドライバーたちに新たなレース戦略や可能性を提供できると確信している」
■2018/19 ABBフォーミュラE選手権 開催スケジュール(6月7日時点)
RoundDateCityCountry12018/12/15ディルイーヤサウジアラビア22019/1/12マラケシュモロッコ32019/1/26TBATBA42019/2/16メキシコシティメキシコ52019/3/10香港中国62019/3/23TBA中国72019/4/13ローマイタリア82019/4/27パリフランス92019/5/11モナコモナコ102019/5/25ベルリンドイツ112019/6/9チューリッヒスイス122019/7/13ニューヨークアメリカ132019/7/14ニューヨークアメリカ