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『未解決の女』最終回で波乱の展開に? 波瑠&鈴木京香、コンビ力の変化

2018年06月07日 20:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 体育会系の熱血刑事・矢代朋(波瑠)と、「倉庫番の魔女」の異名を持つ頭脳派の鳴海理沙(鈴木京香)がコンビを組んで、未解決事件に挑んでいく刑事ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)は、最終章に突入した。


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 5月31日放送の第7話は、2003年の現金輸送車の襲撃シーンから始まった。3億円が盗まれるも犯人特定には至らず、未解決事件となってしまう。それから15年後、都内で男性死体(長谷川朝晴)を見たとの通報が入り、警察が現場に駆け付けると、そこには2千円札と、アルファベットが書かれた謎のカード複数枚。死体はその場にはなく、後に現場から1km離れたところで見つかる。捜査の結果、現場の2千円札は15年前の3億円事件で盗まれた紙幣だと判明し、朋ら文書解読係も捜査に加わっていく。すると、今回の事件では同時に誘拐事件も進行していることが理沙の推理で発覚し、事件は混迷を深める。


 朋と理沙の2人は、当初はキャラクターの異なる凸凹コンビ色が強かった。正義感が強く、フットワークも軽いこともあって、自分から進んで現場に訪れたり、事件関係者に聞き込みに回ったりと、アクティブな一面の多い朋。反面、理沙は日光に当たることすら嫌がるほどの出不精で(いつも外出時には日傘とサングラスを欠かさない)、基本的には6係の自室に籠って、事件にまつわる文書資料の解読にいそしむ。出会った当初は、朋の猪突猛進ぶりに理沙は辟易するも、タッグを組んで事件を解決するうちに、2人の仲は急速に縮まっていく。


 例えば、第5話では理沙が朋をラーメン屋に誘った。これには、朋が6係にやってくる前から理沙をよく知っている、6係長の財津(高田純二)は驚く。理沙は過去の事件がきっかけで、こもりがちの性格になっていたからだ。第6話ではその後、実際に2人がラーメンを食べに行き、理沙が警察官になった理由を打ち明けるまでに、2人の関係は密になっていった。


 そして、先週放送された第7話では、2人でアルファベットの書かれたカードを並べ替えて、暗号の解読に試行錯誤するシーンの中で、今までにないくらいに打ち解けあう場面が描かれた。朋が滑稽なカードの並べ方をするので、それに思わず腹を抱えて笑いこんでしまう理沙。仕返しとばかりに、朋も理沙の考えたカードの並べ方をあげつらって、2人でげらげら笑いあう。いわゆる“ホームズ役”と“ワトソン役”が、こんなにもイチャイチャ感を出すコンビものはなかなかない。そんな一幕を覗き見していた、同じ6課の草加(遠藤憲一)と財津は、「どうなっちゃってるんだ?」と思わず首をかしげてしまう。


 第7話では終盤、誘拐犯の秋田昇(岡田浩暉)に朋が銃撃される瞬間、その現場から遠く離れた場所にいた理沙であったが、どこかから朋が「先輩!」と理沙に向かって叫ぶ空耳を感じる。朋が今、絶体絶命の危機にいる。そんなSOSを2人の絆を通して理沙が受け取ったかのように見えたラストシーン。第7話までに2人が積み上げてきたバディの力が極致に達したように見えた。エンディングでは、そんな2人の絆が出来上がるまでの軌跡をなぞるように、平井堅の「知らないんでしょ?」にのせて、朋と理沙の回想シーンが流れる。


 前回の第7話で、秋田は朋を撃った後に逃走。そのとき撃った拳銃は、都内の男性死体に撃たれたものであると判明し、さらにそれは、科捜研で15年前に登録されている晴海東署のものと同じだったことが明らかに。その矢先、秋田は殺害されてしまい、事件は複雑に発展していく。最終話では、第7話の事件の真相もさることながら、撃たれた朋の運命とともに、正反対だった2人がどれだけパワーの結合を発揮するのか、目が離せない。(國重駿平)