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ケイト・スペードさん、数年前から自殺願望 ブランド創設者の苦悩を実姉が激白

2018年06月07日 20:22  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ケイト・スペードさんの死を受け「ケイト・スペード ニューヨーク」が声明を発表(画像は『kate spade new york 2018年6月5日付Instagram』のスクリーンショット)
「妹の自殺には驚いてはいません」―米時間5日、ニューヨーク・マンハッタンの自宅で首を吊って自殺した「ケイト・スペード ニューヨーク」の創設者兼デザイナーのケイト・スペードさんの死についてこう明かしたのは、ニューメキシコ州サンタフェ在住のケイトさんの姉レタ・サッフォさん(57)だ。誰もが羨む地位と名声を手に入れ順風満帆な人生を送っていたと思われたケイトさんだったが、姉レタさんが語った数々の衝撃的事実から、世界的ブランド創設者の隠された苦悩が明らかになった。

「私はいつだってあなたを愛しているわ。これはあなたのせいじゃない。詳しいことはダディに聞いて!」

13歳になるひとり娘ベアトリックスさん宛てにこのようなショッキングな遺書を残し、ケイト・スペードさんはNYマンハッタン・パークアベニュー沿いの自宅寝室でスカーフをドアノブにかけて縊死した。

現在米国内に140店舗、海外に175店舗以上を構えるメガ・ブランドの「ケイト・スペード ニューヨーク」はケイトさんが1993年、夫アンディさんとともに設立したブランドだ。カラフルな色使いのバッグで人気に火がつき、その後ジュエリーやシューズ、ホームコレクションなどを手がけるまでに成長したが、事業が急成長を遂げると同時に「失敗できない」というプレッシャーに次第に押し潰されていったようだ。

このほど『The Star』の取材に対し姉のレタさんがメールで伝えたところによると、ケイトさんは3~4年前から双極性障害などを患い苦しんでいたという。2014年夏、レタさんを訪れサンタフェに滞在中だったケイトさんは、ちょうどその頃に首を吊って自殺した俳優ロビン・ウィリアムズのニュースを何度も繰り返し見ていたと言い、「ケイトはあの頃からすでに自殺を考えていたのではないか?」と明かしている。

苦しむケイトさんの力になろうと、レタさんは女優キャサリン・ゼタ=ジョーンズが2013年に双極性障害で治療を受けた病院にコンタクトを取り、ケイトさんに繰り返し治療を勧めていたという。しかし「“ハッピー・ゴー・ラッキー(happy-go-lucky)”な明るく元気なブランドイメージを汚すことになる」と自身の精神疾患が周りに知られることを極度に恐れ、最後まで治療を受けることはなかったそうだ。ちなみにケイトさんは以前、レタさんに以下のような言葉をかけたことがあったという。

「レタ、あなたがお葬式が嫌いで、めったに行かないのは知ってるわ。でも私の時は必ず来てよね。お願いよ!」

2016年には娘の名にちなんだ新ブランド「フランシス・ヴァレンタイン(Frances Valentine)」を立ち上げたケイトさんは、2度目のブランド設立に自信をのぞかせる一方で、優れた商品を生み出さなくてはならないというプレッシャーと常に闘っていたもよう。昨年2月にはポッドキャストで自身の性格について「極度の神経質、ものすごい心配性」と分析していた。夫アンディさんとの結婚生活も上手くいっておらず、10か月ほど前から別居していた2人。結婚生活の破綻も、精神疾患の悪化に拍車をかけてしまったようだ。

総資産額は1.5億~2億ドル(約165億~220億円)とも言われるケイトさんだが、彼女の死は「社会的成功や名誉は、心の平穏や本当の意味での幸せを約束してくれるものではない」ということを改めて証明している。全米自殺防止財団(AFSP-American Foundation for Suicide Prevention)の統計によると、自殺は米国における死亡原因の第10位にランクインしており、年間を通じておよそ4万5000人が自ら命を絶っているという。

カラフルな色使いと遊び心いっぱいのポップなデザインで世界中の人たちを元気づけてきたケイトさんが、最後はこのような形で人生の幕を閉じてしまったことが残念でならない。

画像は『kate spade new york 2018年6月5日付Instagram』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)