2018年シーズン、シリーズ唯一の日本人ドライバーとしてFIAヨーロピアンF3選手権に参戦している佐藤万璃音(モトパーク)。6月1~3日にハンガリー・ハンガロリンクで行われた第2ラウンドでは苦戦を強いられ、ポイント獲得はならなかった。
DTMドイツツーリングカー選手権第3ラウンドのサポートレースとして行われたユーロF3の第2ラウンドには、全7チーム、24台が名を連ねた。
3月末にハンガロリンクで行われたテストでは充実した走行を重ねていた万璃音だが、レースウイークは気温や路面温度が上昇し、テストからはコンディションが変化。強風や雨もあったため、週末をとおして苦戦を強いられる。
2日(土)に行われる決勝レース1に向けた予選1回目では新品タイヤを2セット投入したが16番手どまり。迎えた決勝レース1は早朝に降った雨に足元をすくわれ、スタートが鈍って19番手まで後退してしまう。
その後は乾いたラインが1台分しかない状況ながら、万璃音はオーバーテイクを繰り返す粘りの走りでポジションを挽回。15位でチェッカーを受けた。
予選1回目に新品タイヤを2セット投入したことで、ライバルより新品タイヤが少ない状況だったこともあり、レース2、レース3のグリッドを決める予選2回目は苦戦。万璃音は翌3日(日)のレース2を17番手、レース3を19番手からスタートすることになった。
迎えたレース2はスタートを決めて1周目で2台を交わして15番手に浮上すると、5周目には13番手までポジションを上げる。しかし、ラルフ・アーロン(プレマ・セオドール・レーシング)を攻略できずに、そのままチェッカー。ポイント圏内には届かなかった。
続くレース3も1周目で4つポジションを上げる快走をみせたが、その後は思うようにペースが上がらず。終盤、後方からのペースを上げてきたライバルの猛攻を受けた際は「競り合いで絡んでリタイアという最悪の結果を避ける」ために無理なブロックはせず、16位でチェッカーを受けた。
■佐藤万璃音「自分の速さを引き出せるクルマづくりが足りなかった」
万璃音は練習走行1回目で「前大会ポーから持ち越したタイヤが“1ミリ”もグリップしなくて戸惑いました」と週末をふり返る。
「予選1回目では開幕戦のような渋滞にこそ悩まされなかったものの、数少ないチャンスで一周をまとめきれずにタイムを出せませんでした」
「決勝レース1は路面の水捌けが悪い偶数列グリッドだったので、ホイールスピンしないよう慎重に発進しました。ところが予想よりも路面状態は良く、加速が足りずに5、5台は前へいかれました」
「あとは抜きまくって15番手まで戻したものの、路面が乾き始めるとクルマのオーバーステアに悩まされました。それを抑えようとした結果ますますオーバーステアが強くなり、ペースを上げられずに終わりました。順位には満足できませんが、スタート以外ではやれることをやりきりました」
「決勝レース2では13番手へ上がったあと、前大会のポーで優勝したラルフ・アーロンの背後に迫りました。ラップタイムは僕のほうが速かったので何度か仕掛け、一度は抜いた瞬間もありましたが抜ききれずにアタックは実りませんでした」
「決勝レース3は自分のスタートが良かったのと、前のクルマの失速で1周目に4つ順位を上げました。でも、自分のドライビング・スタイルに合わせた、自分の速さを引き出せるクルマづくりでは足りていませんでした」
「後方から明らかに速いペースのクルマが迫ってきたとき、強引にブロックする選択肢もありました。でも、生産性のない競り合いで絡んでリタイアという最悪の結果は避けました。順位には満足できなかったものの、最終的には次につながるヒントをこの週末で得られたのは収穫です」
2018年のユーロF3第3大会は6月22~24日、ドイツ・ニュルンベルクの公道サーキット、ノリスリンクを舞台に行われる。