MotoGP王者マルク・マルケスのF1初走行に立ち会ったレッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコが、マルケスは短時間でF1になじみ、将来参戦できるレベルのポテンシャルを見せつけたと褒め称えた。
5日、マルケスは、オーストリアのレッドブルリンクで、プロモーションイベントとして、2018年のトロロッソ・ホンダカラーのF1マシンを走らせた。使用されたマシンは、レッドブル・レーシングの2012型マシンRB8であるとみられている。この日マルケスが記録したベストタイムは1分14秒9だった。
「マルクは最初1分21秒のペースで、最終的に14秒台までタイムを削った」とマルコ。
「彼はMotoGPにおいて特別な存在だが、F1でもそれは変わらないようだ。あっという間になじんでしまった」
「最初だからもっとゆっくり慣れていくプログラムを組んでいた。マルクならすぐに適応できると思っていたが、そのとおりだった」
当日ドライビングに関するレクチャーを行ったマーク・ウエーバーも、マルケスのパフォーマンスを称賛した。
「朝食の時にはずいぶんと静かだったんだが、コクピットに乗り込むと100パーセント集中し、コース上でベストのパフォーマンスを発揮してみせた」
「F1とMotoGPは全く違う。でもインストラクターとしての僕の仕事は本当に楽だったよ。彼は適切な質問をして、1周ごとに進歩していったんだ」
「ずいぶん進歩したから、すでにF1でも中間ぐらいのレベルまで行ったんじゃないかな。これほど短時間で素晴らしいパフォーマンスを発揮できたのは、やはり彼にすごい才能があるからだと思う」
マルケス自身は、走行後、「当面はMotoGPに集中していく。でも、数年後、F1参戦を真剣に検討する可能性はないとはいえないよ!」と語ったが、ヘルムート・マルコはこれを歓迎する発言を行った。
マルコは、マルケスは2輪と4輪の両方で世界チャンピオンになった唯一のレーサー、ジョン・サーティースのような存在になれるといい、「2021年にレッドブルで走ることもできる」とも発言した。
「今後数年にわたって彼はMotoGPでさまざまな記録を作る。その後、F1が選択肢のひとつになるだろう」とマルコ。
「これまでジョン・サーティースのような特別な才能を持つ者しか2輪と4輪の両方への参戦を果たしていない。だがマルクにはそれだけの才能がある」
「彼が再びF1マシンに乗る日が必ず来るだろう」