6月3日の15時00分にゴールを迎えたピレリ・スーパー耐久シリーズ第3戦富士SUPER TEC 24時間レース。このレースを終えた直後に、クラス2位で終えた62号車DENSO Le Beausset RC350の石浦宏明、平手晃平にインタビューを実施。ふたりは国内で10年ぶりの24時間レースをどう感じたのか。
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Q:24時間お疲れさまでした。結果はST-3クラス2位でしたが、レースを終えていかがでしたか?
石浦宏明(以下石浦):結果は大変悔しい内容でしたが非常に楽しめました。コースサイドでお客さんたちが楽しんでいるのを見ながらコースを走っているというのは、普段体験できないことでした。キャンプファイアしてる横で踊ってる人たちがいたり、花火を見てたり、朝も早い時間からダンロップコーナーあたりにテントから出てきた人がたくさんいたり……そういう経験って日本ではなかったです。まるでニュル(ニュルブルクリンク24時間)みたいでした。
『このイベントは日本版ニュルを目指す』と言う人もいましたが、パドックの雰囲気など似てましたね。やってる側も見に来る側もそれぞれ楽しみ方を知ってるみたいな。
平手晃平(以下平手):僕は人生で初めての24時間レースだったのですが、普段では感じることのできないレースの楽しさがここにはありました。5人のドライバーで1台のクルマをゴールに運ぶというスタイル。スーパーGTだとふたりなのに、普段はライバルであるドライバーと一緒になってレースをするというのは充実して楽しかったです。
石浦:このイベントって毎年続けることで、お客さんも何をやったらもっと楽しいか追求し始めると思うんです。キャンピングカーが欲しいとか次はこれを持って行こうとか、観戦スタイルのバリエーションも増えるし、ずっと続けていくことでレースが文化になると思うんですよね。
今年のこのレースを“新生24時間”の第1回とすると、『2018年の第1回目からずっと出てるんだよ』って人も出てくるだろうし、僕ももちろん出たわけです。(決勝では)勝てなかったけれど、それもレースの一部です。もちろん運不運というのもありましたが、それに打ち勝つ戦略もあると思っています。そういう意味でも来年はもっと盛り上がると思いますよ。
平手:ニュル24時間もそうですが、やはり続けることって大切ですよね。僕は海外でもレースをしていたんですが、海外でのモータースポーツの認知度ってもっと高いんですよ。海外って伝統的なレースが各地で続いていて、家族で楽しめるというスタンスが根付いていると思うんです。富士でもこれを続けていくことで、キャンプしたい、これやりたい、一度は見ておきたいってことで人も増えていくと思うんですよ。単純にレースだけを見に来るというのではなくて、野外イベントを楽しむみたいな感じで。
今回の24時間レースで、ヨーロッパに少し近づいたかなって思いました。だからずっと続けていって欲しい。僕たちももっとファンサービスができると思うし。モータースポーツ全体を盛り上げることで、スーパGTやスーパーフォーミュラの認知度もアップするでしょうしね。
Q:では来年もまた富士24時間に出たいという気持ちですか?
石浦:もちろん! 今年も発表された時点で参加したいと思っていました。今シーズンはこれまで毎週レースでした。プレッシャーとずっと戦いながら体力との勝負とか……。でも楽しいレースがここにあって本当に良かったです。レースを始めたころの楽しさを思い出させてくれるいいイベントだったと思います
平手:僕も来年チャンスがあればまた出たいですね。ドライバーとして精神的、体力的にも良いトレーニングにもなりました。スーパー耐久って参加型レースで、ドライバーだけじゃなくてメカもスタッフも最後までやり遂げることが大事。素で楽しめるレースというか、大変なことをエンジョイしていこうという環境が素晴らしいです。このイベントを企画運営したスーパー耐久機構、富士スピードウェイ他関係者のみなさんの努力があったと思います。
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ファンだけでなく、ドライバー、チームスタッフも楽しめた24時間レース。2019年はどのような形となるのだろうか。