日本ではあまり話題にならなかったが、今年のモナコGPには多くの世界的アスリートが来場していた。そのひとりが、アメリカのナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のスーパースターのトム・ブレイディだ。
ニューイングランド・ペイトリオッツのクォーターバックを務めるブレイディは、NFLのナンバーワンを決めるスーパーボウルで5度チームを優勝へ導き、MVP4回獲得という偉大な記録を持つ偉大なプレーヤー。同時にスーパーモデルのジゼル・ブンチェンを妻に持つセレブリティで、人気と実力を兼ね備えた超スーパースターだ。
そのブレイディが日曜日のグリッドに現れたものだから、スタート直前のグリッドは一時、大混乱となった。世界各国のテレビ局がインタビューしようとブレイディの周辺に殺到。中にはドサクサに紛れてツーショットを撮るグリッドボーイも。
突然、モナコに姿を現したブレイディが注目されたのには、もうひとつ理由があった。それはチームの合同練習を欠席していたからだった。
ただし、ブレイディがモナコGPに来場していたのは単なる遊びではない。ブレイディはタグ・ホイヤーのアンバサダーを務めており、今回の来場はそのプロモーション活動を行うため。金曜日にはタグ・ホイヤーがスポンサーしているレッドブルのダニエル・リカルドに別の船からフットボールを投げてパスを通すという離れ業を披露し、モナコGPを訪れていたファンを湧かせていた。
もうひとりのスーパースター選手は、アメリカ・プロバスケットボール協会(NBA)のドウェイン・ウェイドだ。現在マイアミ・ヒートに所属するウェイドもまたNBAナンバーワンを決めるNBAファイナルで3度マイアミ・ヒートを王座に導いたチームの大黒柱。2006年のNBAファイナルではファイナルMVPを受賞したほどの実力者。
マイアミ・ヒートのNBAファイナル制覇はウェイドが在籍していた時代の3回だけで、トレードでチームを去ったウェイドが今年マイアミに復帰した際には、地元は大歓迎でウェイドを迎えたほどで、バスケットボール・ファンなら、知らない者はいないほどの超スーパースターだ。
今回、ウェイドを招待したのは、ウェイドと交友関係を持つルイス・ハミルトン。ハミルトンもウェイドの試合を観戦した経験があり、ハミルトンは2016年にもウェイドをモナコGPに招待していたほどの仲だ。
ただし、ウェイドにとって今回のモナコGPは特別なグランプリだった。それは14年に結婚した女優のガブリエル・ユニオンを連れて初めて観戦するモナコGPだったからだ。2019年にも実現すると噂されているマイアミGPにも、ぜひ顔を出してほしい。