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「靴を履くのが夢」象皮病で足の巨大化に苦しむ女性(印)

2018年06月07日 05:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

病のため巨大な足を持つ女性(画像は『Storytrender 2018年5月21日付「WOMAN WITH GIGANTIC FEET REVEALS ONLY WISH IS TO BE ABLE TO WEAR PAIR OF SHOES」』のスクリーンショット)
女性にとって靴は足を守るだけの物ではなくお洒落を楽しむファッションのひとつでもある。しかしインドに暮らす21歳の女性は、稀な病気のために足が巨大化して靴を履くという楽しみを奪われてしまった。『Storytrender』などが伝えている。

インドのカシミール地方の人里離れた村ソイ・パスリー(Soi-Pathri)に住むタウヒーダ・ジャンさん(Tawheeda Jan、21)の夢は「友達が履いているような靴を履くこと」だ。彼女の足はつま先から踵まで11インチ(約28センチ)、幅が7インチ(約18センチ)もあり、アメリカンフットボールで使用されるボールの大きさに匹敵する。

タウヒーダさんは象皮病に侵されており、生まれた時から足がむくんだように腫れていて、数年も経つと大人の足より大きくなったそうだ。この病は蚊によって媒介される寄生虫感染症で、身体部位が膨張・硬化して象の皮膚のようになる。

巨大な足のため靴を履くことができず長年裸足のまま過ごしてきたが、彼女の住む村は冬には3メートルもの雪が積もることもあり、そのような中でも裸足で過ごすしかなかった。

両親は市場などで娘の足にあう靴やサンダルを探し回ったが、妥当なものを見つけることはできなかった。農業を営む父親のハミッド・ウェイゲイさん(Hamid Wagay)はこのように語っている。

「タウヒーダは他の5人の子達と違い、足が腫れた状態で生まれてきました。それは靴を履くことが出来ないという呪いでもかけられたかのようでした。夏の間はいいのですが、冬になると寒い中でも裸足でいるしかありません。そのため娘の足はひび割れた状態になってしまうのです。」

何年も苦しんだ末、タウヒーダさんは14歳の時に足を小さく見せるために手術を受けた。しかしその手術は足の親指以外の指を全て切断するというもので、このことが深刻な状況をもたらした。

足はこれ以上大きくはならなかったが、今度はふくらはぎあたりが風船のように膨れ始め、今ではほとんど歩くことができなくなってしまったという。そして当時、タウヒーダさんは学校でクラスメイトらから「大きな足」と言われ続けて屈辱を感じることが多く、学校に行くことを断念するしかなかった。

世界保健機関(WHO)によると、象皮病は手術での対症療法や治療も可能とのことだ。農村部に暮らすタウヒーダさんにはなかなか適切な治療を受ける環境が整っていないようだが、隣の国のパキスタンでは20kgの腫瘍を抱えた18歳男性が政府から無料で治療が受けられることになり、手術が成功している。タウヒーダさんにもなんらかのサポートが得られることを願うばかりだ。

画像は『Storytrender 2018年5月21日付「WOMAN WITH GIGANTIC FEET REVEALS ONLY WISH IS TO BE ABLE TO WEAR PAIR OF SHOES」(Sameer Mushtaq/ CATERS NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)