5月12~13日に開催されたニュルブルクリンク24時間レースの決勝前に伝説のグループCカー、ポルシェ956と揃ってデモランを行ったポルシェ919ハイブリッドEvoが6月4日、ふたたびニュルブルクリンクの“ノルドシュライフェ”に現れ、実走テストを行っている様子が捉えられた。
ポルシェ919ハイブリッドEvoは、2015~2017年のル・マン24時間レースを制し、3年連続でWEC世界耐久選手権のチャンピオンカーとなったポルシェ919ハイブリッドをベースに空力、足回り、パワートレインなど多方面からレギュレーションにとらわれない自由な環境でモディファイし、究極のハイブリッド・レーシングカーとして生まれ変わったエボリューションモデルだ。
そのポテンシャルはLMP1の枠組みから驚くべきほど高められ、4月9日に行われたタイムアタックではベルギーの伝統的サーキットであるスパ・フランコルシャンで、2017年F1王者のルイス・ハミルトンがマークしたレコードタイムを0.7秒更新する1分41秒770という驚速ラップを記録している。
スパでのタイムアタックをはじめとする走行イベント“919トリビュートツアー”を今年度、世界各地で展開していくと発表しているポルシェは、スパでのタイムアタック、ニューヨーク市街地の走行に続く第3弾として前述のニュルブルクリンクでのデモ走行を実施した。
しかし、今回捉えられたテストでは約1カ月前の先導車付きのデモンストレーションラップとは異なり、マシンが持つ高次元のパフォーマンスを存分に発揮するような速度域でラップしているのが確認できる。また、当日のサーキットはポルシェの専有状態にあったという。
こうしたことから今回のテストは、故ステファン・ベロフがドライブしたポルシェ956の持つレコードラップタイムの更新を目指すプロジェクトの前準備として行われ、車両のセットアップの確認や調整などが進められたものと考えられる。
これを裏付けるようにポルシェは5日(火)、SNSを通じてワークスドライバーのティモ・ベルンハルトが919ハイブリッドEvoに乗り込んでいる写真を投稿。前日のテスト実施、ならびにノルドシュライフェでのタイムアタックの開催を示唆した。
— Porsche LMP1 Team (@Porsche_Team) 2018年6月4日