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新たなF1開催地では「充実したレースができること」を重視するとF1 CEO

2018年06月06日 17:31  AUTOSPORT web

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2018年F1第6戦モナコGP
F1のCEOを務めるチェイス・キャリーによると、新たな開催コースをF1カレンダーに追加する第一の基準は、充実したレースを展開できる潜在力を持つレイアウトであることだという。

 F1は、将来開催予定を拡張して新たなレースを追加することを検討しており、マイアミ、ベトナム、アルゼンチンのすべてがF1カレンダーの追加枠を競い合っている。キャリーは、ファンへ提供できるショーの質を最優先事項としている。

 第6回FIAスポーツカンファレンスに出席するためにマニラを訪れたキャリーは、F1が新たなコースに何を期待しているのかを説明した。

「我々にとって重要なのはほんのわずかな要素だ」とキャリーは述べた。

「まず、レースに最適な場所であることだ。我々はレースに関わることを築き上げていくわけだが、それは充実したレースを提供できるコースを確保することから始まる」

「今日、現実的にはエキサイティングで最高なレースを展開できないコースがあり、我々はそれに取り組む必要がある。また、優れたコースも存在する。始めるにあたっては、素晴らしいエキサイティングなレースを提供できるコースを求めている」

「第二に、世界中が興味を持つような場所を求めている。我々は世界中の素晴らしい都市でレースをしている」

「我々は観光都市という言いまわしを使っている。人々が訪れたいと思ったり、テレビで見て憧れを持ち、素敵な場所だと思ったりするような、真に人々の興味をかき立てるような場所で我々はレースをするのだ。それにもし実際にその場所を訪れるのなら、さらに特別なことになるだろう」

「そのように世界を引きつけて魅了する、素晴らしい国と都市を求めている」

 モナコGPが一部のドライバーから“退屈”というレッテルを貼られたことや、2019年に接近戦とオーバーテイクを促進するための技術ルール改正が行われることを背景に、キャリーはF1が将来に予測不能なレースが行われるよう懸命に取り組みをしていると語った。

「オーバーテイクの件は明らかに問題だ。そして2019年に向けてFIAと我々が講じている対策はひとつの段階であり、すべてを解決するものではないことは分かっていると思う」

「2021年の変更はもっと大規模なものになる。空力についてさらに広範囲にわたって対処する」

「F1レースを見応えのあるものにする空力面を損ないたくはない。しかしオーバーテイクをこのスポーツのより重要な部分とするためには、我々はさまざまな対応をする必要があると考えている」

「だがこれだけではない。競争力のバランスを取り、コース上のアクションを増やし、レースをいろいろな面で予測不可能なものにするために、多くのことが進行中だ」

「スポーツは予測可能であるべきではない。意外性が求められているのだ。皆、起きるとは思わなかった印象的な瞬間を欲している。勝ち目のない者が勝つところを見たい。そうしたことが起きてほしいと思うものだ」