JR山手線・京浜東北線の田町~品川駅間に2020年春、新駅が開業される予定だ。それに際してJR東日本は「品川新駅」(仮称)の駅名を公募している。ネット上ではさまざまな新駅名が提案され、議論が起こっている。
発表によると田町~品川駅間は2.2キロあり、新駅は品川駅の北側900メートルに建設される。応募内容を参考に新駅名を決定する、としている。
「普通に考えたら『高輪』」「『泉岳寺』じゃないと迷う」
ネット上では、「新品川」「北品川」など、品川の前に一文字加えた名前を挙げる人が多い。しかし「新~~」は注意が必要だ。「新横浜」「新大阪」といった駅があるが、いずれも新幹線の停車駅。新幹線が停まらないのに「新品川」としたら混乱が生じる可能性がある。
「北品川」に関しては、品川駅の"南"側に京急本線の「北品川」がすでにある。同名の駅なのに約2キロ離れた所になるのは乗換ミスを誘発しやすい。中には「みんなが認識している名称が良いかと。つまり『品川新駅』」など、仮称の利用を薦める人も。また
「普通に考えたら『高輪』」
「港区港南になるので『港南』」
「札ノ辻交差点の辺りに出来るんだろ。『札の辻』でいいじゃん」
といった地名にちなんだ名前も多い。芝浦と高輪に挟まれているので「芝浦高輪」、品川~田町駅間にあるので「品田」も上がっている。他にも京急本線の泉岳寺駅と近いことから「『泉岳寺』じゃないと迷う」という声や、落語で有名な演目から「芝浜」を推す人も多い。
山手線だと「みらい芝浦」などのキラキラ系駅名は可能性が薄い?
恋愛コンサルタントで、鉄道事情にも詳しい鈴木リュウさんは、最近の新駅名の命名には4つの傾向があると指摘する。"地名そのまま"(新駅名案だと「芝浦」「高輪」)を駅名にするパターンの他、
「『新函館北斗駅』のような"足し算"系、『いわて沼宮内駅』のような"ひらがなorカタカナ+漢字"系などもあります。あとは『外苑前駅』や『獨協大学前駅』など"土地を象徴する建物前"を表すネーミングが多いですね」
という。また山手線はJR東日本の代表的な路線のため、キラキラ駅名にはならないのでは、と話す。キラキラ駅名は『流山おおたかの森』(千葉県流山市)など都心部から離れた場所や、『Jヴィレッジ駅』(福島県双葉郡・2019年開業予定)など大規模な施設が近い駅に付けられる傾向があるという。
「今年開業した大阪市都市部の新駅も『JR総持寺』『衣摺加美北駅』(同JR西日本)と漢字が主流。また新駅のウリとなる施設も発表されていない以上、施設名はつかないでしょう。そのため『みらい芝浦』『品川エアポート』『芝浦シティ』などのキラキラ系、またその一方で無機質なものも少ないため『新品川』の可能性も薄いのでは」
こうした点を考慮すると新駅名は、"足し算"系の「高浜」(高輪+浜松町)、「芝浜」(芝浦+浜松町)、白金高輪のように組み合わせた「三田芝浦」「高輪芝浦」、"ひらがなorカタカナ+漢字"系の「しながわ新都心駅」「品川ベイシティ駅」、旧地名から取って「芝田町」などになる可能性があると予測している。
新駅名の応募は6月30日までで、WEBサイト・郵便はがきで受け付けている。発表は今年の冬頃を予定しており、採用された駅名を応募した人の中から抽選100人にプレゼントが贈られる。