WRC世界ラリー選手権で9年連続チャンピオンを獲得し、2018年はWorldRX世界ラリークロス選手権に参戦しているセバスチャン・ローブは、年初の計画以上にWRCへスポット参戦するつもりはないと語ったとイギリスのモータースポーツサイト『MOTORSPORT WEEK』が報じている。
WRC9連覇を達成し、ラリー界のレジェンドとして君臨しているローブ。今季はプジョーのワークスドライバーとしてWorldRXに参戦しながら、グループ会社であるシトロエンからWRCにスポット復帰し、3戦へ出場する計画だ。
そのシトロエンは先日、度重なるクラッシュによりクルーの安全を保証できないとして長年チームのエースドライバーを務めてきたクリス・ミークとの契約を解除。これによりレギュラードライバーの枠に空席が生まれた。
チームは6月7日に開幕が迫った第7戦イタリアでは若手のクレイグ・ブリーンと、今季スポット起用しているマッズ・オストベルグのふたりを投入する。ただし、第8戦以降の布陣については不透明な状況だ。
これを受けて、一部では10月の第12戦スペインへのスポット参戦が決まっているローブが、8月の第9戦ドイチェランドで起用されるのではとも噂されている。
しかし、ローブ自身はMOTORSPORT WEEKに対し、「いまはWorldRXに集中している。このシリーズとWRCに並行参戦したいとは思わないし、そのモチベーションもない」とコメント。憶測を否定した。
「ミークがシトロエンのドライバーでなくなっても私の状況は変わらない。これ以上、自分のカレンダーにWRCの予定を加えるつもりはないし、落ち着いていたいんだ」
「今、2週間ごとにWorldRXへ参戦しているし、その間にはテスト走行やプロモーション活動もある。なにも変わってはいないんだ。予定どおりにラリー・スペインには参戦するが、それだけだ」
2018年はWorldRXへ集中する意向を強調したローブだが、「開発テストなどは手助けできるかもしれない。具体的な話はしていないが可能性としてある」とシトロエンの開発テストなどには協力する意思も示している。
そのローブが主戦場としているWorldRXでは、第4戦終了時点でポイントランキング2位、首位とは14点差の好位置につけている。2019年の参戦プランについては確定していないものの、「プジョーと話し合いを進めているし、これが最優先事項だ」とコメントした。