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WEC:クラッシュ喫した新型アストンマーチン、ル・マン本戦はスペアシャシー使用へ

2018年06月05日 15:21  AUTOSPORT web

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ロードカーのモデルチェンジに伴い2018年から投入されているアストンマーチン・バンテージAMR
2018/19年WEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスに参戦しているアストンマーチン・レーシングは、6月3日に行われたテストデーで大破した新型アストンマーチン・バンテージAMRの修復を断念し、16~17日に開催されるWEC第2戦ル・マン24時間レースではスペアシャシーを用いる予定だ。

 昨年の第85回ル・マン24時間レースでGTEプロクラス優勝を飾ったダレン・ターナーが、マルコ・ソーレンセンとニッキー・ティームのコンビに加わっている95号車アストンマーチンは3日午前のセッション終盤、ソーレンセンがドライブするなかでハリソン・ニューウェイ駆るSMPレーシングの35号車ダラーラP217・ギブソンとサイド・バイ・サイドの状態となる。

 2台は接触し95号車アストンマーチンは反動でガードレールに激しく衝突。マシンフロント部を大破させた。このアクシデントによって朝のセッションは赤旗中断となり、マシンの撤去後もガードレールの修復が必要とされたため約50分を残してセッション終了となる原因となった。

 クラッシュ後、ソーレンセンは直ちにサーキットのメディカルセンターに運ばれたが、幸いにも大きな怪我はなかったという。また、ニューウェイの35号車ダラーラは自走でピットまで戻っている。

 しかし、フロントが大破した95号車アストンマーチンの修復は難しい状態で、アストンマーチン・レーシングのポール・ハワード代表は「事故の規模からみて95号車を再利用することはできないのは明らかだ」と語った。

「我々は2週間後(の本戦)に向けて新しいシャシーを用意する必要がある。理想的な準備とは言えないがアストンマーチン・レーシングは全力を尽くして準備を進め、これを成し遂げる能力を持ち合わせている」

「我々が立てたプログラムの計画ではこのようなアクシデントは織り込み済みであり、今回のようにすぐに問題に対応することが可能だ」

 一方、クラッシュを喫したソーレンセンは、ひと月まえのWEC第1戦スパ・フランコルシャン6時間でレースデビューを飾った新型バンテージAMRのシャシー剛性の強さを称賛する。

「大事なテストがこのように終わってしまったことは残念だ。しかし、幸運にもこうして怪我なく家族に会えたことをに感謝しているよ」とソーレンセン。

「クラッシュの衝撃はとてつもなく大きいものだったが、シャシーはそれをものともしないほど強かった。僕はクルマが止まった途端に外に飛び出してダメージがどれほど大きいかを目の当たりにした。そしてクルマが僕を守ってくれたことを理解したんだ」

「チームは(短い期間内に)新しいクルマを仕立てなければならなくなってしまったが、スタッフは皆自信を持って取り組んでくれている。レースに向けて準備は整うはずだ」

 なお、今回のアクシデントについてレーススチュワートは「オーバーテイク中に危険な操作があった」と判断。その結果、95号車アストンマーチンと35号車ダラーラの両車に、決勝レース中の1分間のストップ・アンド・ゴーペナルティが課されている。