6月3日、サルト・サーキットで2018/19年WEC世界耐久選手権第2戦ル・マン24時間レースの事前テスト“ル・マンテストデー”が行われたが、これに先立ちポルシェは2日、かつてのル・マン参戦車両を模したカラーリングを纏ったポルシェ911 RSRを初披露した。
昨年限りでLMP1クラスから撤退したポルシェは、今季のル・マンに4台のポルシェ911 RSRを投入してフェラーリ、フォード、BMWなど欧米6メーカーがしのぎを削るLM-GTEプロクラス優勝を狙う。
4台の内訳はWECにフル参戦している91号車と92号車、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップで活躍中の個体を93号車、94号車として登録。ドライバーラインアップもWEC、IMSAの両シリーズに参戦するドライバーに世界各地のGTレースでカスタマーサポートを行うポルシェワークスドライバーを加えた強力な布陣が整えられている。
そんなポルシェは2日、WEC組の91号車ポルシェ(リヒャルト・リエツ/ジャンマリア・ブルーニ/フレデリック・マコウィッキ組)と僚機の92号車ポルシェ(ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストル/ローレンス・バンスール組)に、かつてのル・マンを走ったポルシェのレースカーのカラーリングを復刻させたデザインを施すと発表。その後、実車を初公開している。
日本でもお馴染みのマコウィッキも搭乗する91号車ポルシェには、ブルーとホワイト、ゴールドのストライプが取り入れられ、その姿は現在まで高い人気を誇るロスマンズカラーを思い起こさせるものに。これは1980年代に活躍した『ポルシェ956』『ポルシェ962』をイメージしたデザインだ。
一方92号車ポルシェは、実験車両として従来モデルにエアロパーツが追加され、ル・マンの本戦では車体全体がピンクに彩られたことから“Pink Pig(ピンクの豚)”、転じて“トリュフ・ハンター”として親しまれている『ポルシェ917/20』の特徴的なデザインが採用されている。
「今回復活した2種類のカラーリングは、ファンにとても愛されたきたデザインだ」と語るのはポルシェモータースポーツ副社長のフランク-ステファン・バリザー博士。
「我々はこれまであらゆるレース、トラックで声援を送ってくれた忠実なサポーターに感謝している。特にル・マンでは19回の総合優勝を飾り、その偉大な記録の達成には毎年驚くほどの支持を受けてきたんだ」
復刻デザインが施された2台のポルシェは3日(日)のテストデーで、実際にサルト・サーキットを走行を重ねているが、このうち91号車ポルシェは僚友の93号車ポルシェに次ぐLM-GTEプロクラス2番手タイムをマークした。
なお、IMSA組の93号車、94号車ポルシェは従来どおりのホワイト、レッド、ブラックからなるポルシェワークスカラーを纏って本戦を戦う予定だ。