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w-inds. 橘慶太×m-flo ☆Taku Takahashi対談【前編】 それぞれの楽曲制作との向き合い方

2018年06月04日 17:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 3人組ダンスボーカルユニット・w-inds.のメンバーであり、作詞・作曲・プロデュースからレコーディングにも関わるクリエイターとして活躍中の橘慶太。彼が作り出す現行のダンスミュージックの潮流を捉えた洗練されたサウンドは、国内外問わず多くの評価を獲得している。


 リアルサウンドでは、そんな橘慶太がコンポーザー/プロデューサー/トラックメイカーらと「楽曲制作」について語り合う、対談連載をスタートする。記念すべき第1回のゲストは、DJ、プロデューサーの☆Taku Takahashi(m-flo)。今回は取材日前後、☆Takuが知人と作業スペースとして借りていたというスタジオに伺い、それぞれの楽曲制作法の違いや制作者ならではの悩みなど、赤裸々に語り合ってもらった。【前編】(編集部)


(関連:w-inds.が語る、独自の音楽へのこだわりと変化「デビュー当時の雰囲気が戻ってきた感覚がある」


■僕が作る音楽は偶然の産物(☆Taku)


☆Taku:w-inds.はみんなで音を作るんですか?


慶太:音作りは基本的には僕が一人でやっているので、全部任せてもらっています。メンバーは僕が作ったものを信頼してくれていて。m-floさんはどうですか?


☆Taku:うちはもうLISAが毎日もっとブンブンブンブン鳴らしてくれって(笑)。「☆Takuちゃーん! もっとブンブンしたのー! もっとブンブンするのやろうよーっ!」って。低音が鳴ってるのをやろうってことなんですけど(笑)。


慶太:やっぱりお好きなんですね! そういう音が。


☆Taku:そうなんですよ。「もっと、Migosみたいなの! 私はおしりを振りたいの!」「でもさあ、Migosのトラックでメロウってあり得る?」「……ないね」みたいなやりとりをよくしています(笑)。


慶太:(笑)。制作はみなさんで話しながら進めているんですか?


☆Taku:わりと僕が作ったものをそのままやってくれるんですけど、「もうちょっとインターナショナルに」ということはLISAからよく言われますね。その感じをどうやって出すのかをみんなで話し合います。


慶太:楽曲を作るスピードは?


☆Taku:僕、すっごい時間がかかる人です。「こういう感じの今のトレンドの音を作ってほしい」という具体的なオーダがあれば、たぶん2日くらいでできる。でも、自分がやろうとしてることをかたちにしようとすると、1曲1週間はかかっちゃうかな。クライアントがある仕事では着地点がなるべく見えるものを作るんですけど、m-floの場合は最初のデモと最終形が変わることが多い。というか、2曲作ってる感じです。


慶太:デモの原型がないということですか? メロも違う?


☆Taku:要はデモでLISAがメロを書いて、VERBALがラップを書いて、そこからリミックスする感じ。だからやってみて「なんか違くない?」って時もありますね。その後どうするかはみんなで話し合って決めます。でも「よくなったじゃん!」ってことがほとんどですけどね。


慶太:トラックを作るのは、Takuさんお一人ですか?


☆Taku:僕が作る、プラス鍵盤が弾けないので鍵盤の人を呼ぶ時もあるし、ギタリストに来てもらうこともあります。最近、僕の中では生楽器が再ブームで。ずっとエレクトロニックだけでやってたんですけど、飽きちゃったんですよね。生とサンプリング(サンプラーで録音して楽曲に組み入れる)する方が楽しいなって。今はシンセを使えば着地したい音に誰でも大体できちゃうんですよ。でも、僕がそれをやると、事故が起こらずにこじんまりしちゃう。もっと打ち込みが上手い人とか、それ以上の着地ができる人ももちろんいるんですけど、僕の場合は不器用にやった方が面白い方向に行くというか。こじんまりしないんです。


慶太:生だとそういうことが起こりやすい。


☆Taku:生とサンプリングですね。


慶太:サンプリングはどういうところが魅力ですか?


☆Taku:入っちゃいけない音が混ざってくるのがいいんですよね。


慶太:ディチューン(周波数に与える微妙なズレ。主にエコーやコーラスなどの効果を作るために利用)っぽい感じ?


☆Taku:ディチューンさせてるわけではなくて、空気なんですよ。フィルター(一定部分の音域をカット)するとその音はほとんど聞こえていないから、すごく細かくいえばディチューンされてるということになるのかもしれないですけど、どっちかっていうと空気感で。トップで聞こえる音が合っていれば、フィルターでいろいろとはまってくれるんです。


慶太:Takuさんは音をレイヤーするタイプですか?


☆Taku:シンセとサンプル(サンプリングの過程で録音した素材)を混在させるのは好きですね。サンプルじゃないと出ない感じがあるんですよ。


慶太:わかります! あれって何なんですかね?


☆Taku:たぶん、余計な音が入るからだと思います。本来あるべきではない音が入ってるというか。それこそディチューンもその要素の一つではありますけど。


慶太:なるほど。シンセとサンプル、今度真似してみよう(笑)。


☆Taku:僕が作る音楽は偶然の産物なので、とにかくいろいろ試すしかないんです。目指したい方向はあるんですけどね。だから、そういう意味でいうと僕は演奏してないんですよ。試してコラージュしてるだけ。10回失敗して、11回目でハマるものがあるみたいな。それが僕の場合の打ち込みの醍醐味ですね。w-inds.の曲でもシンセを使ってるものは多いですよね。


慶太:そうですね。僕が最新機器が好きというのもあって。サンプルはめちゃくちゃ使います。あと僕も最近、ギターは生で録ることもあります。ほかにどんな楽器を生で入れます?


☆Taku:あとはストリングスとウッドベースが多くて、その音を切って使うことが多いですね。m-floの作品では、ダンスミュージックのお作法は全部無視なんです。この音を使ったらこうなるよね、このジャンルになるよねってあるじゃないですか。簡単なところで言うと、トロピカルハウスだと、うねった声のサンプルを使うところをその声は使わないとか。たぶん今、僕がトロピカルハウスを作ることはまずないと思うんですけどね。それをやるのは僕じゃなくてもいいかなって思うので。


慶太:それってでも、仮にトロピカルハウスを作るとしたら、そのサウンドを目指して作るってことですよね?


☆Taku:うん、目指すけど間違いたいんですよ。間違ったトロピカルハウスを作りたい。


慶太:既存のものでは面白くないと思ってしまうっていうことですか?


☆Taku:そもそもトロピカルハウスになりきれないものが面白いのかなって。だから、リアルじゃないって言われるのがすごく好きです。リアルサウンドでこう言うのもなんだけど(笑)。


慶太:(笑)。でも、その考え方、すごく憧れます。僕は音楽を作っているとそういう気持ちに全然なれなくて。トロピカルハウスはこうじゃなきゃだめだとか、フューチャーベースはこうじゃなきゃだめだとか、すぐ思っちゃうから。


☆Taku:わかりますよ! それは正しいと思うし、やっぱりやるなら完成形にしたいですよね。でも、その完成形を作る人がいるから、僕はいいやって思うんです。


慶太:なるほど、それは僕には足りない考え方かもしれないです。


■海外トラックメーカーから影響を受けた制作スピード(慶太)


☆Taku:そう、w-inds.の曲はだいたいどれくらいの期間であがるんですか?


慶太:一瞬ですね。1日でミックスまでやります。


☆Taku:今の時代、そのスピード感は大事ですよね。


慶太:海外のトラックメーカーとコライト(複数人で作曲)した時に、トラックメーカーがコードを弾きだしたら、トップライナーがいきなりメロディをつけだして、約5時間で1曲を完成させてたんです。これができなければ自分は置いていかれるんじゃないかと不安になりました。だからそれに影響されて、僕も早くやらなきゃいけないと思うようになりましたね。


☆Taku:クリエイターズキャンプもそうですけど、アメリカは本当にすごい。リラックスした雰囲気づくりを大切にしつつ、ちゃんと結果を残せないとクビ飛ばされちゃうよっていう緊迫感、さらにスピード感もある。クリエイターが本当にハングリーで、みんな“終わり”に対する意識が強いですよね。


慶太:そうなんです。そこは僕も意外でした。ちなみにTakuさん、コライトはされますか?


☆Taku:僕は無理です。そんなに器用じゃないですよ。言われたことをすぐにパッパッパッてできないし。だから……。


慶太:一人で、緻密に。


☆Taku:うん。もちろんやる時はありますけど、コライトは向いてないなって思いますね。僕が投げたアイデアを誰かが受けて返してきて、さらにそれに返すというキャッチボール、コラボレーションは好きなんですけど。決められた方向性がある場合はコライトだと難しいかなと思うし。得意ですか?


慶太:僕、めっちゃ好きですね。人と一緒に作る方が楽しくなっちゃう。前にずっと一人で作っていたら、「何やってるんだろう」とふと思ってしまったことがあって。w-inds.に山好きなメンバーが一人いるんですけど、彼は今頃山に行ってるんだろうなとか思うと「この違いは何なんだ!」と(笑)。広々とした作業場で一人、孤独に入っちゃったことがあって。


☆Taku:楽曲制作は孤独になりますよね。だから僕が好きなのは、打ち込みしている時に後ろで友だちがピザを食べたりしてくれてる感じで(笑)。


慶太:わかります!


☆Taku:「どう?」ってすぐ聞けるし。そういうのが好きです。


慶太:いいですよね! やっぱり一人だと苦しくなるというか。


☆Taku:音楽を作る、しかも人に聞かせるものを作るって、一つの承認欲求だと思うんですよ。そんな承認欲求がある中、これがイケてるのか、イケてないのかっていう判断が自分だけではできない時がある。さらに一番よくないのが、「これを聞いて、みんながどう思うんだろう?」って思いだしちゃうこと。その不安にかき立てられていくというか。


慶太:ありますね……。


☆Taku:あと僕、一人だとさぼっちゃうんです。というより、人がいてもいなくてもさぼっちゃうんですが(笑)。だけど、モノづくりする時って時間がなかったり、自分が追い詰められていないとダメなんです。悲しい性なんですけど。ゆとりがある時に作った曲より、めちゃくちゃ睡眠時間も少なくて、めちゃくちゃ忙しい時の方がいいものが生まれやすい。


慶太:感覚が研ぎ澄まされている?


☆Taku:うん、そういう追い詰められた時に生まれるものって強いんです。負荷がかかっていた方がいいんだなって最近思います。それまでは少しでもいい音楽環境、リラックスした環境を作ることを重視していたんですけど、それよりもいかに追い詰められた状況を作るかなんだなって。健康にはよくないですよ。でもその方が自分がのめり込めるものができるんです。


■“自分の感覚”とどう向き合うか


慶太:最近、「自分がいいと思ったものを必ずしも人がいいと思うとは限らない」っていうスイッチが入ることがあるんですけど、そうすると自分の中でダメだった作品もみんなに聞かせた方がいいのかなと思うことがあるんです。Takuさんは自分の中でボツにした作品をメンバーやスタッフに聞いてもらっていますか?


☆Taku:僕は聞かせますね。そもそも僕、そんなに自信がないんですよ。完成形に関してはもちろん自信を持って出すんですけど、周りの人たちの方が才能あるなっていつも思っているんで。だから「みんな上手いし、どうせ俺、みんなよりうまくないから、聞いてもらっても失うものはないな」って思いながら、みんなに聞かせます(笑)。どんな曲でもデモでボーカルが乗っかって、いろいろなアイデアが浮かんで、そこまで来ればあとは才能じゃなくて時間のかけ方なんですよね。やってもやっても却下になる中で「これハマったっ!」というものがようやく見つかって、「自分最高だな!」って思うというか。


慶太:なるほど。また僕に足りないところですね。


☆Taku:いやいや。これは足りる・足りないとかじゃなくて、個々のやり方だと思うんですよ。……なにかあったんですか(笑)?


慶太:そういうわけではないんですけど(笑)、僕は自分の感覚が大切すぎて譲れない瞬間が多すぎるんですよね。人の意見が大切だということはすごくよく考えるんですよ。人から意見をもらうこともめちゃくちゃ好きだし、「もっとこうした方がいいよ」とか絶対言ってほしいんです。逆に「いいね、いいね」って言われた方が不安になる。ただ、言われたことに対して自分もいいと思えなかった時にその意見を無視したくなってしまうんです。「メロディ、もうちょっとこうした方がいいよ」って言われて、いいと思った時は使うんですけど、いいと思わなかった時の対応のできなさ(苦笑)。


☆Taku:普通じゃないですか? だめなんですか?


慶太:もっとそこは大人になりたいなと。


☆Taku:そうか。でも、クライアントの仕事は、もちろん僕だってそうですよ。例えば映画のサントラを作ってる時も、プロデュースしてる時も、映画だったらその映画の監督が、一番自信を持ってシーンを出せる音楽は何かを徹底して追求してたどり着こうとしますし、プロデューサーも同じく、その人が一番自信を持って表に出せるものを作ることがゴールなので。あくまでさっき僕が話したのはm-floの作品でのことですね。


慶太:m-floの楽曲の最終的なジャッジは3人でしているんですか?


☆Taku:3人ではありますけど、僕は最終的な判断をミックスを含めた部分で任されています。もちろんそれぞれのリクエストを聞いて調整はしますけどね。m-floは意見は言い合うけど、あんまりお互いの領域に入ろうとしないんです。全部自分一人で作っているとまた違ってくるとは思いますけど、m-floの場合はそれぞれの役割をそれぞれに任せるというスタイルですね。


慶太:ミックスエンジニアはいつも同じ方ですか?


☆Taku:関根青磁さんに担当してもらうことが多いけど、うちのチームのエンジニアがミックスすることもあります。あと、海外でミックスダウンすることもたまにありますね。


■手間をかけることで“新たな発見”が生まれる


慶太:すごくマニアックな話なんですけど、DAW(コンピュータを使って音楽制作をする際のシステム)は何を使ってますか?


☆Taku:DAWはAbleton Liveです。


慶太:一緒です!


☆Taku:なんでAbletonにしたんですか?


慶太:僕は最初Logicだったんですけど、サンプルの使い方がやりやすかったので。あとAbletonの純正のエフェクトが好きなので、それでですね。


☆Taku:FL STUDIOは選択肢にはなかったんですか?


慶太:EDMのイメージが自分の中では強かったので、なかったですね。あと僕、ずっとLogicを使ってたんですけど、Daft Punkが『Random Access Memories』(2013年発表アルバム)をAbleton Liveで作ってたんですよ。それを知ってAbleton Liveにしようと思ったのが一番の理由かもしれないです。


☆Taku:で、触ってみたらフィットしたと。


慶太:フィットしました。Takuさんはほかにどんなソフトを使ってきたんですか?


☆Taku:もともと僕はCubaseからAbleton Liveに変えたんですよ。10年以上前かな。もう結構長いですね。


慶太:使用期間が長いともう他には変えられないですか? フィットしてます?


☆Taku:Abletonはフィットしてますね。たまにFLにちょっと浮気したいなと思うことはありましたけど(笑)。でも、今Windowsマシンをあんまりさわりたくないんですよ。一時期は自作するぐらいさわってたんですけど、やっぱりMacがよくて。FLはMac用はβ版しか出てないんです。FL、楽しいんですよね。でも今Abletonの新しいアップデートがだいぶよくて、FLでしかできなかったようなこともできるようになって。


慶太:最高ですよね。やりたかったこと、こうしてほしいということを叶えてくれましたよね。グループの機能も便利だし、MIDIの編集も楽になりましたしね。


☆Taku:とはいえ、僕はフルにポテンシャルを使えきれてないだろうな。実は今、ハードウェアでやってるようなことをソフト内でやるというのがちょっとしたマイブームで。僕にしかあてはまらない話かもしれないですけど、打ち込みって「めんどくさい」を嫌がらずやることとの闘いだと思ってるんです。


慶太:わかります。オートメーション(トラックの音量やエフェクトなどを自動変化させる機能)でできることも自分で調整するっていうことですよね?


☆Taku:オートメーションもそうだし、サンプルをブツブツ切るのもそうだし。ビットダウンする方法も、例えば単純にビットダウンしたければ、ビットダウンのエフェクターでSP-1200っぽい感じにできたりもするじゃないですか。SP-1200は昔のビンテージサンプラーなんですけど、その音を今はエフェクトをポンってプラグに入れればできちゃう。それはそれで使わなきゃいけない時もあるんですけど、それよりは実際SP-1200を持ってきて、2.5秒しかサンプリングできないから、2.5秒に収めるためにピッチを速くして、SP-1200に入れて録音して、それをピッチ下げて元に戻してまた演奏する……っていうような作業をしたい。


慶太:それは大変ですね。


☆Taku:めんどくさいですよね。だって実際30秒でできることを、10分かけるっていうことですから。


慶太:でも、それもやるんですね。


☆Taku:もう闘いですよ。まぁ単純に考えれば、プラグインを使うより本物を使う方が音がいいっていう話で片づいちゃうんですけど。僕の場合はそこじゃないんです。僕はその音に近づけば極論いいんですね。サウンドのジャンルの話と一緒で、本物じゃなきゃ絶対だめっていう願望はなくて。


慶太:似ていればOK?


☆Taku:そう。でも余計な工程をすることによって、ここでも事故が起こりやすくなるんですよ。簡単に目的地にたどり着けちゃうのと、あっちこっち寄り道してたどり着くのとの違いみたいな話です。ここから渋谷駅まで行くには一番早いのはおそらくタクシーだけど、歩いて行くことによっておそば屋さんを見つけたり、ちょっと裏道に入ったら今度は中華料理屋さんを見つけたり。めんどくさいことをすると新たな発見があったりするじゃないですか。そういう音楽的な発見が出てくることがあって。


慶太:しかもそれって、次の曲にも生かせる発見だったりもしますよね。


☆Taku:たぶんそうだと思います。だけど僕の場合はわりと一期一会ですね。プリセット(楽器の音色や機材の動作状態などが予め設定されている機能)を探す時もつい一個一個聞きながら探してしまいます。毎回サンプルって違うし、同じことができないんですよ。


慶太:戻すことができないのもいいってことですよね?


☆Taku:そう、僕の作ったものは再現できないんです。だからクライアントの仕事で一番難しいのは、「m-floのこの曲みたいに作ってください」っていうオーダーなんですよ。本当に奇跡的にできたことだから……。


慶太:でも悔しくなったりしません? 「もう1回、この音欲しい!」みたいな時ってないんですか?


☆Taku:あんまり悔しくはならないです。


慶太:本当ですか! 僕は結構それを気にしちゃって、全部セーブしちゃいますもん。もう1回その音が作れるようなデータを全部残すからめんどくさい。でも絶対使わないんですけどね(笑)。


☆Taku:Abletonはテンプレートを簡単にセーブできますもんね。でも、セーブしておくと、それこそスピーディーにやらなきゃいけない時にすぐ出せるのはいいですよね。


慶太:僕、DJの海外のトラックメーカーの動画を見るのが好きなんですけど、みんなやっぱりパッチ(シンセサイザーの音色)はAbletonでセーブしたものを使いながら、ポンポンポンポン曲を作っているんですよね。


☆Taku:キック(バスドラム)とか入ったライブラリーを作っちゃう感じですか?


慶太:そうです。全部。


☆Taku:そうなんですね。僕は作らないですよ。昔はそうやってキックが集まったプリセットを作るのを試したりはしてたんですけど、結局選ぶのは同じものなんですよ。


慶太:自分の中でいい音があるんですね。


☆Taku:同じ音を選んじゃうだったら、もうゼロから毎回やった方が新しいものに繋がる可能性があるかなと。


慶太:なんなら僕もフューチャーベースとか、インディR&Bとかのドラムのトラックを自分で作っていて。


☆Taku:それ、売りましょうよ。


慶太:最近ちょうど考えていたんですけど、CDを売るだけじゃ面白くないから、一緒にパッチも売りたいなと。それが、自分で作っているw-inds.の音で一緒に売れたらすごく面白いなと個人的に思ってます。


☆Taku:いいじゃないですか!


慶太:いつかやりたいなと思っているんですけど。


☆Taku:実際海外のダンスミュージックのプロデューサーはサンプルCDを出してますもんね。


慶太:そういうものも見たりしていて。いつかやりたいことの一つではありますね。