6月16~17日に決勝レースが行われる第86回ル・マン24時間耐久レースに2台のトヨタTS050ハイブリッドを投入するTOYOTA GAZOO Racing。本戦前にサルト・サーキットのフルコースを走行できる公式テストデーでは、2台あわせて202周、2752kmを走破し、8号車をドライブするフェルナンド・アロンソがトップタイムをマークした。
スパ・フランコルシャンで行われた開幕戦から1カ月を経て、2018/19年のWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”は、シリーズの天王山、ル・マンを迎えた。
世界三大レースのひとつであるル・マンの舞台、サルト・サーキットは常設サーキットとふだんは公道として利用されている道路をつないだ13.626kmの構成。このフルコースを走るのはドライバー、チームにとって1年ぶりとなるため、6月3日の公式テストデーは重要な意味を持つ。
2台のTS050ハイブリッドを投入するトヨタ勢は、空力やサスペンション、ハイブリッドシステムの制御周りなどを軸にテストを実施。また摩耗やグリップレベルなど、タイヤ評価も行った。
また上述したようにドライバーにとってもサルト・サーキットを走るのは1年ぶりのこと。小林可夢偉や中嶋一貴、セバスチャン・ブエミなどのレギュラードライバーはもちろん、リザーブドライバーとして名を連ねるアンソニー・デビッドソンも走行。代役出場に必要な規定周回をクリアした。
これまでシミュレーターでの走行を重ねてきて、これがサルト・サーキット初走行となったアロンソは1日のテストで合計40周、545kmを走破し、コースとマシンの習熟に務め、午後のセッションでは最速タイムとなる3分19秒066を記録。現役F1トップドライバーとしての実力をみせつけた。
僚友の7号車は3分20秒008がベストタイムとなり総合3番手だった。
「2週間後に控えた偉大なレースを前に、上々の内容でテストを行うことができた」とアロンソ。
「出だしからTS050ハイブリッドは素晴らしい感触で、テストは順調に進んだ。私自身は、サーキットになじむため、充分な周回を重ねることもできた」
「ここまでにシミュレーターや過去のオンボードビデオで経験を積んできたが、実際にコースを走るのはとても新鮮だね。とても有意義な1日にだったし、充分楽しんだ」
アロンソと同じ8号車をドライブする一貴は「午前中はコースコンディションが思いのほか良く、車両の感触も最高でした。午後の私が走った時間の大半は、セーフティカーに遮られてしまいました。とはいえ、決勝レースでセーフティカーには何度も遭遇しますし、そういう意味では有意義な準備ができたと言えるでしょう」とコメント。
7号車をドライブする可夢偉は「本番のコースでのドライビングを確認し、リズムも掴めて、今日の内容にはとても満足しています」と走行をふり返っている。
「テストデーは、まだ本番の独特に雰囲気ではありませんが、それでもル・マンにまた来られたことはうれしいです」
「世界でも最高のサーキットのひとつであるここル・マンを走るのはいつでも格別の体験です。レースウイークが始まるのが本当に楽しみです」
第86回ル・マン24時間に参戦するチームの大半は、このままサーキットにとどまり、6月5日に行われる常設サーキットであるブガッティ・サーキットでのテストに参加する。
ル・マンウイークの幕開けとなる練習走行と第1予選セッションは、13日(水)に行われる。