トップへ

新しい地図は“NAKAMA”の輪を広げていく 『ななにー』ゲストとの関わりから見えること

2018年06月04日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が贈る、7.2時間の生配信『ななにー』こと『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)。毎月第1日曜日夕方5時からの、月に1回のハッピータイムが今月もやってきた。6月2日にオンエアされた第3回は、何が起こるかわからない予定不調和な面白さを十分に残しながら、レギュラー番組としての安定感が生まれていることを感じた。


(関連:香取慎吾、「第55回ギャラクシー賞」贈賞式に登場 久米宏が“SMAP”に言及するホンネトークも


 番組の企画も、SNSバラエティの名前にふさわしく、視聴者がリアルタイムでマジックやゲームに参加できる場面が増えた。テレビから情報を一方的に受け取るのではなく、視聴者も番組で一緒に遊ぶスタイルは、『ななにー』から発信する新しいテレビの形だ。


 オープニングから、香取がブランドフレンドになったBMWの車が登場し、オープンカーで3人がお台場をドライブ。すると、多くの人が集まってくる。「写真は……どんどん撮って拡散してください!」という彼らの呼びかけもあり、放送中は『ななにー』がトレンドワード1位に。ドライブ中のトークは、視聴者から寄せられる質問コーナーだ。


 視聴者がSNSで勝者を予想した、縦列駐車対決は編集のきかない生放送ならではの手に汗握る展開に。もっとも自由人のイメージが強い草なぎが意外にもスムーズに駐車してみせたり、この番組を通じてせっかちな“イラチ“キャラが定着しつつある稲垣が度重なる接触&タイムオーバーで失格になったり……と、バラエティ的なおいしい場面もありながら、最後にはブランドフレンドの香取がしっかりと優勝を手にする、という3人のバランスの取れたスター性に改めて魅せられた。


 国民的アイドルの彼らをずっと前から知っているようでいて、どこまでも魅力が再発見されるのが、この番組のすごいところだ。そして、なぜかこの番組に出たゲストに対しても、今まで以上に親近感を覚え、応援していきたい気分になる。縦列対決に参加した小沢仁志のアウトレイジな勢いのある運転に男気を、南明奈の細かな切り返しに繊細さを、福田彩乃の潔癖症と言われるほどの完璧主義を、原田龍二がとっさに手でサイドミラーを抑えてしまうチャーミングさを、ピーターが香取扮するカトルド・トランプ大統領を軽くパンチして照れくさそうに「好きだよ」とはにかむキュートさを……。3人と楽しそうに過ごすゲストからは、素の魅力が次々と引き出されるように思う。


 番組後半、『ななにー』に第1回から出演しているキャイ~ンが登場すると、3人が「キャイ~ン、ありがとう」と伝える一幕も。「毎月スケジュールを空けてるから(笑)」と返す天野ひろゆきの言葉は、なんだか遊ぶ約束のように聞こえて微笑ましかった。芸能人である彼らがメディアに出るというのは紛れもなくビジネスだ。だが、この番組では3人を慕って集まってくる“仲間“という印象が強く感じられる。3人のことが好きで一緒に遊びたいから来た、そんな温かな空気が彼らの仲には漂っている。


 前回から「密着応援する」と宣言した、平昌パラリンピック金メダリストの成田緑夢も、すっかり仲間のひとりに。自らゴルフのスコア目標を超えられなければ、生放送で丸坊主という厳しい誓約をした成田だったが、今回は見事にクリア。香取が「次はどうする?」と、まだまだ遊びたいと言わんばかりに誘う。すると成田も、百獣の王・武井壮との対決を希望するなど、アイデアが尽きない。仲間の輪が広がっていく楽しみがまだまだ続きそうだ。


 もともとは、ビジネスでの繋がり。でも、気づけばそれ以上のファミリー感でつながっていく。そんなアイドルとファンの関係性にも近い感覚を、この番組に集った人々に覚えてしまう。この番組に出演するメンバーも、見届ける視聴者も、3人のホームで遊びに来るNAKAMAということかもしれない。さて、また7月の第一日曜日の夕方はスケジュールを空けておこう。稲垣、草なぎ、香取と、そこに集う仲間たちとたっぷり遊ぶために。(文=佐藤結衣)